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センサーサイズ論争⁇


カメラに関する情報を集めたりでネットを眺めていると目に入ってくるのが、「フルサイズとAPS-Cはどっちが画質が良いのか?」みたいなセンサーサイズ論争だ。
古から続くこのセンサーサイズ論争で建設的な議論になっているのを見たことがない。マジで無い。不毛。不毛な議論。ヤングJUNK。山里亮太。
それに、一声に画質などと言うが画質が良いって何だろう。
一般的には解像感が高くノイズが少なく階調豊かということだろうか。それだけなら原理上大きなセンサーサイズが有利なのでセンサーサイズはデカけりゃデカいだけ良いはず。以上。となってしまう。
しかし、実際はどういう被写体をどういう狙いでどういう環境でどう撮るか、どう見せたいか、どう見るかで変わるはず。

カメラを構成する要素

そもそも、レンズ交換式カメラにおいてセンサーサイズに論点を絞って、どのセンサーが良いだ悪いだと議論できる状況にあるんだろうか?
という事でダラダラ考えてみる。

センサーサイズに起因すること以外でカメラを構成する要素として

  • AF性能

  • 連写性能

  • 手ぶれ補正

  • 防水防滴性能

  • EVFや背面液晶の見え方

  • 背面液晶の形式

  • レンズラインナップ

  • 外装デザインや質感

  • カラーサイエンス

  • メニューのUI

  • サイズ

  • 価格

  • メーカーのブランドイメージ  などなど

あげればキリが無い。
書き出していてキリが無いように感じたがカメラを購入する際、私達はこれらの要素を自分なりに比較検討し、自分にとって重要な要素を考え、最終的に1番良いと思えるであろうカメラを選択しているはず。
果たしてセンサーサイズだけでカメラが選べるだろうか?
おそらくセンサーサイズだけでカメラを選んだ人など皆無だろう。

APS-Cのボケ

カメラを選ぶという視点で考えた時、個人的に1番重要だと考えるのがレンズラインナップだ。
一旦、フルサイズを中心に考えるが、フルサイズにおいて大三元などと呼ばれる代表的なレンズが
・16-35mmF2.8
・24-70mmF2.8
・70-200mmF2.8の3本。
この3本と画角、ボケという観点で同じ写真が撮れるAPS-C用レンズとなると
・10-23mmF1.9
・16-47mmF1.9
・47-133mmF1.9
あたりのスペックが必要になるはず。
しかし、今のところキヤノンにもニコンにもソニーにもフジにも純正でこんなレンズは存在しない。
1番近くて
SIGMAの
18-35mmF1.8DCHSM
50-100mmF1.8DCHSM
というものがレフ機用として存在するがフルサイズ用大三元と比べズーム倍率が低く同スペックとはいえない。
存在しない理由は不明だがAPS-Cでこのようなレンズを出してもビジネスが成り立たない、もしくはフルサイズを売りたいという判断だろうか。
単焦点で考えてみてもフルサイズはF1.2のAFレンズが複数存在するが、APS-C用のF0.8のAFレンズは存在せず、ボケという観点ではフルサイズでしか撮れない写真があるようだ。

APS-Cレンズの価格

価格についてはどうだろう、フルサイズ各社で比較的安価に10万円以内で用意されている単焦点レンズとして50mmF1.8がある。
RF50F1.8は2.8万円
Z50F1.8は7.5万円
FE50F1.8は3万円
この50mmf1.8をボケでAPS-Cに換算すると33mmF1.2というスペックになるはずだが、これもミラーレスの純正AFレンズとしては存在しない。
近いものとしてフジのXF33mmF1.4があるが価格は10万オーバー。
APS-Cのレンズが安いとは何だったのだろうか。

APS-Cレンズの重さ

さらによく言われる小型軽量という点でも比較してみる。
XF33mmF1.4の重量は360g。
RF50F1.8は160g。
Z50F1.8は415g。
FE50F1.8は186g。
Z50F1.8は撒き餌的ポジションでなくSラインということで少し重いが、平均すると265g。
ボケとしては劣るXF33mmF1.4より軽い。
同じ画角、同じボケで縛るとAPS-Cは安くも軽量でもないみたいだ。

APS-Cが望遠に有利

APS-Cが望遠に有利という言葉もよく見かける。
キヤノン、ニコン、ソニーの3社のミラーレスのAPS-C専用の望遠レンズを見てみると。キヤノン、ニコンにはそもそもキットレンズしか用意されていない。
かろうじてソニーに70-350mmがあるくらいである。
この3社のミラーレスでは、今のところセンサーサイズの小ささを活かした明るく小型な望遠レンズは存在しない。
フルサイズ用をつけて1.5倍になるなら有利だという考え方もできるがフルサイズの高画素機でクロップモードにすれば大差ない。
繰り返しになるが、この3社は互換性のあるマウントでフルサイズとAPS-Cの両方をラインナップしているため、利益率の高いであろうフルサイズをステップアップとなるようレンズにもヒエラルキーを持たせているのかもしれない。
センサーサイズを活かした望遠レンズという点ではフジやMFTが良さそう。

中判のボケ

ちなみにボカしたいならフルサイズじゃなくて中判使えばいいじゃないと思ったりするが、残念ながら現時点で中判用のAFレンズで最もF値が低いのはフジのGF80mmF1.7であり、フルサイズ換算で64mmF1.4(ボケ)程度となるはず。
フルサイズ用レンズではF1.2が続々と登場しておりボケにおいてはまだ中判に優位性は無い。(ボケ質によってボケ量の感じ方が違うとかって話は置いといて)
光学の事はよくわからないがフルサイズというセンサーサイズがレンズ設計において黄金率的なものなのかも?

まとめ

ボケという観点で考えた時にセンサーサイズやメーカー毎にレンズラインナップが異なり、純粋にセンサーサイズでカメラの優劣などつけれないことがわかった。
とした上でセンサーサイズ毎にめちゃくちゃざっくり大雑把に数字中心でカメラ選びを考えるとこんな感じだろうか。

  • ボケ量を求めたり、レンズラインナップの豊富さを生かして色んな写真を撮りたい、超高速連写したいならフルサイズ。

  • 一億画素が欲しいなら中判

  • 被写界深度の浅さはそこまで求めない、レンズ沼にはまる予定はない、安くカメラが欲しい、フジのフィルムシュミレーションが使いたいとかであればAPS-C。

  • 深い被写界深度が欲しい、小型な望遠ズームを使いたい、超小型ボディも選べるMFT

どのセンサーサイズが上とか下とか、論争だとか気にせず、レンズラインナップをしっかり見て、自分が撮りたい写真が必要十分に撮れるものを選ぶのが良さそうだ。

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