High Percentage Gi Passes(1)
はじめに
本稿では、ゴードン・ライアンの「High Percentage Gi Passes」を取り上げる。
High Percentage Gi Passesは、コロナ禍の最中にリリースされた無料教則だが、コロナ初期に「道場に通えない人々をサポートする」目的で配布されたBJJ Fanaticsの他の教則と異なり、ゴードンのファンサービスないし彼の教則の販促としての意味合いが強い。
また、ゴードン・ライアンがノーギ&グラップリングにおける(現時点で)世界最高の選手である事に異論の余地がないとしても、これまで彼はギの試合に全く出場していないので、この教則の価値に疑問を抱く方もおられるだろう。
この教則は、「スパイダーガード」と「ハーフガード」を素材にして、ゴードンが「パスガード」に対する一般的な考え方と、個別の「パスガード」テクニックについて、時系列順に説明している。
vol.1では、相手の「スパイダーガード」に捕まった状態からスタートして、これをどう解除するのか?という話から始まり、「トレアナ」の使い方。
さらには、「トレアナ」を用いた「パスガード」が上手くいかない場合に、(「トレアナ」の派生技としての)「レッグドラッグ」や「Xパス」についての解説がなされている。
この教則でゴードンが説明している内容は、ほぼジョン・ダナハーの「パスガード」教則に準拠していると言っていい。
ダナハーの教則ほど詳しい解説がなされているわけではないものの、「パスガード」テクニックをある程度知っているが、「オープンガード」に相対した際に、個別のテクニックを具体的にどう使えばいいのか分からない、あるいは、各種テクニックの相互関係について頭を整理したいという人とって参考になる点は多いだろう。
本稿では、 High Percentage Gi Passes vol.1について、チャプター順に解説をしたい(以下の記述は、 High Percentage Gi Passesの動画に即して書かれている。本記事を購入すると否とに関わらず、この教則だけでも入手される事をお勧めする)。
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