【思い出の重力】

思い出が僕の心を押しつぶす。

遠い 遠い 無邪気な空

そこから溢れ 逆流した 何千トンもの思い出が

あの日の景色が あの笑顔が

走馬灯のよう駆け巡り

戻れぬ日々がのしかかる。

貴女の笑顔は今いずこ

貴女の心は今いずこ

いや もういない いないんだ

僕の世界にはいないんだ。

過ごした日々は消えやしない

消えやしないから なお寂しい

いっそはじめから なかったら

いいえ、やっぱり ありがとう。


思い出がまたこの頭を加減も知らず殴りつける。

ガン ガン ゴン ゴリ ぐぐっぐうぅ


夜は1人で抱きしめる。

こころを抱いて1人寝る。


明日の朝よ ちょっとまって

布団が記憶と共謀し

僕のこころに馬乗りになるから。


まってくれ まだ間に合わないよ

世界はいつでもせっかちだ。


貴女の中の僕は死んだ

いいや 僕が殺したんだ。


ごめんね の声が布団に揺蕩う。


明日もきっと僕は生きる。

死ぬほど勇気がないからです。

ステンドガラスが張り裂けて

灰色の世界が生まれました。


ありがとう。ありがとう。

もう寝ましょう。ありがとう。

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