真夏のピークが去った
と、ラジオで聞いた、二週間前。
※二週間前から執筆しているので少し時差を感じる内容かもしれません。
静かに秋が顔を出し始めましたね。そして、わたしはまだ夏の背中を追っています。
耳にもはや馴染んでしまうほどの蝉時雨はいつの間にか止み、あんなに空気も色も匂いも濃かった日々が徐々に薄まっていく。感覚が研ぎ澄まされている気がしてたけれど、今はちょっとフェードがかかったような、穏やかで安らかな、秋になったとも言えない、でも夏でもない、曖昧な時期のように感じます。
わたしは夏が好きです。
なので、今の時期は少し悲しく、寂しい気持ちになります。この曖昧な時期に、わたしが聞きたくなる曲が、フジファブリックの「若者のすべて」です。
題名にさせていただいた言葉は、この、「若者のすべて」のはじまりの歌詞です。
この曲をYouTubeで見て聞いてしまうと、涙が出てしまいます。もう二度と戻らない、あの青春の時間が宝箱に詰められていて、それを一つ一つ丁寧に手に取り慈しんでいるようです。前を向いて歌を唄う姿に別の映像が重なる動画ですが、一本にその全てが詰め込まれているのです。
これはあくまでわたしの想像になってしまいますが、社会に出た僕が、「学生時代の夏最後の花火」に思いを馳せているのかな、と思います。一定のピアノの音色が、花火を見るために夕陽を背に、自転車で前へ前へ漕いで行き、サビのところで花火が打ち上げられているところを想像してしまいます。歌詞では、今年最後の花火を見ている場面で、おそらく気になる相手も同じ花火を見ているのか、会うことができるのか期待をしていて、その変化にとても心臓がキュッとなります。
今年最後の花火、3回目なのでしょうか。ようやく出会えた相手に対して、まさか出会えると思っていなかったことが、「まいったな話すことに迷うな」に込められているように思います。「最後の最後の花火」という、今年最後の花火の中でも本当に一番最後の花火が終わったら、何か関係が変わるのかもしれない。そんな淡い青春を柔らかく透明に表現された楽曲で、とても好きです。
ヨルシカのカバーも素敵です。
みなさんは、この時期に聴く曲はありますか?よければ教えてください。
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