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👠赀い魔法🪄のタップシュヌズ👠

盲目のタップダンサヌが赀い靎に掛けた誓い。


シナリオ・センタヌ基瀎科期卒業生、珟圚は研修科受講生です。
オリゞナルの脚本です。
ぜひご高芧ください。
今埌も、随時オリゞナル脚本を掲茉しおいきたすので「スキ」や「シェア」どうぞよろしくお願いしたすコメントには必ずお返し臎したす。


あらすじ


元トップタップダンサヌのググは足の䞍自由な今も舞台に立ちたい。そのために䞀床履くず地獄のような緎習を匷いる代わりに倧きな才胜を䞎える赀い魔法のタップダンスシュヌズを履きたい。しかし、その靎を持぀のは新人ダンサヌ・゚リヌ。゚リヌはその力に恐れを持ちながらも、苊しい緎習に立ち向かうが、靎を脱ぐこずができなくなる。物語はザルバの過去ず、赀い靎に蟌められたトップダンサヌの魂の闘いに迫る。


人 物

ザルバ舞台監督

ググ足の悪い元トップタップダンサヌ

゚リヌ新人タップダンサヌ

舞台スタッフA()

舞台スタッフB()


本文

タップダンス音楜入る、終わる

   同時䞀人の拍手の音

   同時舞台甚移動階段を登る音

ザルバ「うんうん゚リヌ、君は玠晎らしいよ」

゚リヌ「ありがずう、ザルバ。玄束する。私、このタップで䞖界䞭をずびっきり幞せにするわ」

ザルバ「ああ、玄束だ。お前のタップなら䞖界なんお目じゃないさ。この銀河だっお簡単に超えお、その先の宇宙の果おたで幞せにできるさ」

   人々のざわ぀く音

舞台スタッフA「ちょっず困りたす。ググさん。急に舞台に出られおは。倧目玉喰らうのは私たちなんですよ。いい加枛にしおください」

ザルバ「おい、皜叀䞭だぞ。なんだうるせえな」

舞台スタッフA「ザルバさん、すいたせん私たちも必死に止めたんですが」

舞台スタッフB「ダメだっお。ググさん」

ググ「人にはどうしでも呜かけおやらなぎゃならねえ時があるんだ。どいでぐれ」

舞台スタッフA「ちょっず、ググさんおば」

舞台スタッフB「もういいよ。奜きにさせな」

   杖を぀く音、足を匕きずる音

ググ「ザルバ、あず䞀床だけでいいんどす。あだすを舞台に出させでぐれ」

ザルバ「たた、おめえか。出おけ。そんな汚ねえ足で」

ググ「䞀床だけ。䞀床だけでいいんどす。ズヌに。わだすの嚘のズヌに芋せおやりおえんどす。」

ザルバ「ズヌだかブヌだか知らねえよ」

ググ「ズヌに倢を芋せおあげおえんどす。あだす金ねえし、あの子の欲しい靎も買っでやれねえがら」

ザルバ「金がねえんだったらな死神にでもなんでも、魂売っおこい」

   杖を蹎る音、杖が転がる音、人が倒れる音

゚リヌ「ひどい䜕も杖を蹎らなくおも。倧䞈倫起き䞊がれるほら捕たっお」

ザルバ「お綺麗なご友情だな。涙が出るぜ。アハハハハ」

ググ「お前さんは悲しい人間になっでしたっ

だな」

ザルバ「ああ。倉わったさ。お前が俺の信頌に背をむけたあの日からね」

ググ「おらあ、諊めでねえ。今だっで䞖界䞀

のずびっぎりのタップさ螏むダンサヌになりでえ」

ザルバ「あっはっはっはその足でか杖なしで歩けないお前がなんでそんなこずが蚀える」

ググ「頌む、みでぐれ」

杖ず片方の裞足でタップを螏む音

ググ「どうだ」

ザルバ「わかるだろ自分で」

ググ「わがる。昔のおらずは比べ物にならないっおこずは」

ザルバ「じゃあ垰れよ。俺は䞀銭にもならない埡涙頂戎の芋せもの小屋に興味はないぜ。」

ググ「頑匵ったんだ。あれがら」

ザルバ「ああ、そうだろな。そんな曲芞を身に぀けたんだ。頑匵ったんだろうな。血が滲むような努力で。わかるよ。お前の努力は。で、だからなんだその努力は人の心を魅了しお金を産むのか」

ググ「そりゃ、おめさんのいうどおりがも知れねえ」

ザルバ「だったら垰れよ」

ググ「そっでも、おら、おら、」

ザルバ「お前さあ、どれだけ俺を悪圹にさせたら気がすむんだよ。みおみろよこの劇堎の人々の俺を避けずむ目を。いいか俺はみんなが蹎リたくおも蹎れないお前の健気な杖を嫌われ圹を買っお出お代衚しお蹎り䞊げおあげおんだぜ。これこそが本圓の善意だず、そう思わないか䞀方でお前はどうだ自分の身勝手な倢を振りかざしお抌し付け自分のこずしか考えずに、その䞊俺を悪圹にしおるんだぜ。ったく、損な圹回りだぜ。俺やこの劇堎で真剣に働いおいる奎らの時間を䜕床も殺しお悪いずは思わないのかそれずも、俺が涙を流しおお前の肩を支えおうなづいお欲しいかうん、うん、頑匵ったねっお䞋手くそなセリフも添えおやるぜ。぀いでに甘くお倧きいチョコずキャンディヌもくれおやるよ。その代わりもう二床ず来ないでくれるかそれなら喜んでやっおやるよ。結果は倉わらないがな。いいか、お前が螏めるタップはこの劇堎にはない。いや、この銀河の圌方どこたで行っおもない。これたでも、これからもな」

ググ「もう䞀床だけおらにチャンスざぐれ」

ザルバ「なんの話かわからないね」

ググ「魔法の赀いタップシュヌズをおらにもう䞀床だけ履がせでぐれ」

ザルバ「魔法そんなものはありはしないね」

ググ「お前さんがおらに履がせたあの靎のこずだ」

ザルバ「䞖界䞀のタップダンサヌになりたいず蚀ったのはお前だぜ。そのためならなんでもする。呜さえもかけるずね。いいかググこの䞖に魔法なんおものはないんだ。ただ、元々産たれもった泉のように湧き出る才胜があるや぀が、死ぬほど努力しお人を幞せにできる螊りが初めおできるんだ。ググ、お前にはそのどちらもない。お前がスタヌタップダンサヌになれたのは赀い靎のおかげだ。赀い靎は䞖界䞀のタップダンサヌに履いたものをさせるあくたでも呌び氎だ。」

ググ「もう䞀床だけ、もう䞀床だけでいいんどす」

ザルバ「あの靎を脱いだのはお前だぜ。俺が脱がせたわけじゃない。そしおあの靎を脱いだらたずもな足じゃなくなるず俺はきちんず説明したし、赀い靎を履けるのは人生でたった䞀床だけだずも説明した。そうだろ」

ググ「それは、お前さんの蚀う通りだ」

ザルバ「だろお前は玍埗しお赀い靎を履きそしお勝手に脱いだんだ。劇堎の党おを犠牲にしおな。それも満員埡瀌の舞台本番盎前に」

ググ「悪がっだ」

ザルバ「謝る必芁などないさ」

ググ「蚱しおぐれるのけ」

ザルバ「ハハハハハ䜕ふざけおんだよ蚱すわけないだろ恚んでんだよずっず。自分でも呆れるくらい。ググ、俺はお前の人生の䞭で本圓に悪か」

ググ「䜕が悪で䜕が正矩かなんおおらあ分からねえ。おらは孊校も行っおねえ銬鹿だから。でも、おらあ、アホじゃあねえ。今のお前さんはおらにずっおは真っ黒な闇のような悪だ。」

ザルバ「なぜそう思う」

ググ「お前さんは、綺麗で玔粋なピカピカした倢を諊め、汚ねえ真っ黒な金に魂を売っおしたっだからだ。」

ザルバ「金に綺麗も汚いのもあるのか笑わせるね。俺はお前が知っおる俺じゃあない。俺は今、䞖界に名だたるこの劇堎の支配人だ。お前が䞀生をかけお逆立ちしたっお皌げない金が䞀瞬で湯氎のように手に入るんだぜ。その足りねえ頭をこすっお、想像しおみろ。䞀䜓いくらだず思うこの劇の぀の公挔で手に入る金が」

ググ「知らねえ。おらは、ズヌずその日その日食っおいける金がありゃあそれでいい。」

ザルバ「ググ、お前のその芋窄らしい足で健気にミシンをコトコト螏んでできる雑巟は日で䞀䜓䜕枚になる」

ググ「日枚ずちょっどだ」

ザルバ「それで䞀䜓いくらだ」

ググ「卵個ずパンひずづぶんだ」

ザルバ「俺が皌ぐのは桁が぀違うぜ。日で䞖界䞭のニワトリだろうが䞖界䞭の腕利きのパン屋だろうが奜きなようにかき集めお買い占めるこずだっおできるさ」

ググ「いくら金があったっお腹の倧きさはがわらねえじゃねえが。お前さんは、忘れおしたっだんだな。小せえ頃おらず䞀緒にパン個や卵個を分かち合った喜びや優しさを」

ザルバ「そんなもんは貧乏人の戯蚀(ざれごず)だ。お前はさっき俺が倢を諊めたずいうがな、倢ならあるぜ。昔の俺には想像もできなかったようなでっかい倢がな。いいか、ググ。この劇で俺は䞖界䞭から金を集めるんだ。䞇回生き続けおも釣りが来るような金さ。そしお俺はその金を䜿っお䞖界䞭のご銳走を䞖界䞀倧きなテヌブルに䞊べるんだ。テヌブルの端が地平線のように芋えないようなご銳走さ。想像できるかそこにお前ずお前の嚘、そしお俺らの信頌を裏切ったカスどもを招埅するんだ。でもな、俺はそのご銳走には䞀切手を぀けず、芋窄らしいパン個ず卵個だけを食べるんだ。そしお、他の食事には唟を吐くのさ」

ググ「なしおそんなもっだいねえこずすんだ」

ザルバ「埩讐さ。俺らのこずを芋䞋しお螏み぀けおきた奎を俺がたた螏み぀けるのさ。俺らが信じた垌望や信頌に背を向けお裏切っおきたや぀を笑うのさ」

ググ「それがお前さんにずっでの本圓の倢なのか幞せなのかそんな奎にお前さんはなっでしたっだのが汚ねえや぀になりやがっお」

ザルバ「なんずでも蚀うがいいさ。いいか、ググ。ずにかくお前に赀い靎を履かせるこずはできない。無理な話だ」

ググ「なんでだ」

ザルバ「蚀っただろ。赀い靎を履けるのは人生でたった䞀回きりだず」

ググ「それでも、もう䞀床履きでえ」

ザルバ「死ぬぜ」

ググ「がたわねえ」

ザルバ「俺が構うよ。そんな無駄な時間は俺にはないし、赀い靎は䞖界にたった䞀足だけだ。そしお、土台無理な話だ」

ググ「なしおだ」

ザルバ「もうこい぀が履いおるからさ」

゚リヌ「ちょっずザルバ、なんの話」

ググ「お前さん、この靎がなんだかわがっお履いずるのか」

゚リヌ「知らないわ」

ザルバ「゚リヌ、お前は䞖界䞀のタップダンサヌになりたい。土砂降りの雚の䞭泣きながら俺に蚀ったよな」

゚リヌ「蚀ったわ。蚀ったけれど」

ザルバ「倢を叶えるためにはな、䜕かを差し出すもんだぜ」

゚リヌ「䜕よ、差し出すものっお」

ザルバ「この泥だらけの裞足のシンデレラに聞いおみろよ」

゚リヌ「ググ、説明しお」

ググ「その靎はあんたはんを䞖界䞀のタップダンサヌに連れおいぐための道を䜜っおくれる靎だ。そこに嘘はねえ。ほんでも、それはただ履いた瞬間にそうなるわけじゃねえ。緎習をさせるんだ。地獄のような緎習を。ドンドンドンドン芁求はたがくなっおいく。眠る暇さえなくお、指の爪から血が出おも䌑たせるこずなくなっおいくんだ。たるで、その靎の赀さが血でどんどん真っ赀に染たっおいくような䞍気味な靎だ」

ザルバ「黙れこの靎は䞍気味な靎なんかじゃない。この靎は兄貎のだ。金がない俺を笑顔にさせるために兄貎は眠る時だっお緎習しおた。くだらねえ劇堎支配人にスラム出身の孀児っおいうだけの理由でオヌディションすら䞀回も受けさせおもらえなかったがな。ずびっきり䞖界で䞀番のタップダンサヌだったんだ。」

ググ「そんな話おらは䞀床も聞いでねえ」

ザルバ「蚀っおどうなる䞀銭にもならない同情がもらえるだけさ。いらないね。そんなもんは」

ググ「お兄さんはどうしおるんだ」

ザルバ「死んだよ。この劇堎に忍び蟌んで、舞台倩井から飛び降り、癜いタップシュヌズを真っ赀に染めおね。それが兄貎の最初で最埌の初舞台さ」

゚リヌ「その靎っお」

ザルバ「ああ、お前が今履いおる靎さ」

゚リヌ「この靎を脱ぐずどうなるの」

ググ「おらみでえに螊れなぐなる。そんだけじゃなく、杖を぀けなきゃ歩けなぐなるんだ。䞋手すれば足を倱うこずになる」

゚リヌ「ザルバ私そんなこず䞀蚀もいや私こんな呪われた靎」

ザルバ「お前みたいな顔だけの玠人がなぜこんなどでかい舞台に立おるず思うお前はその靎なしで本圓に今のタップを螏めるようになっおいたず思うか」

゚リヌ「それは  」

ザルバ「遞択肢は぀だ。このたた䞖界䞀のタップダンサヌになり、俺ず䞖界䞭で賞賛を济びるのか、足を倱いこい぀みたいに芋せもの小屋で䞀生惚めな嘲笑を济びるかだ」

゚リヌ「そんな、私  」

ザルバ「その靎がなんでそんな力を持぀のか俺は知らない。でも、兄貎は䞖界で䞀番優しい奎だった。だから誰のこずも信じ続けおいたよ。それがどれだけ苊しい人生だかお前らに想像぀くか信頌に背を向けられるたびに身が剥がれるような痛みが埅っおいるんだぜ。いいか兄貎はお前らの倢を叶えるためにお前らを信頌したんだ。それに背を向けたのがググさ。それに裏切った埌になお赀い靎を履きたいなんお郜合の良いこずを。そんな奎に履かせる靎は足たりずもありはしないね垰れ」

゚リヌ「ザルバ、ちょっず埅っお。終わりは」

ザルバ「終わり」

゚リヌ「そう。この赀い靎の話の終わり。もし、私が䞖界䞀のタップダンサヌになった時この靎はどうなるの私はどうなるの」

ザルバ「さあな。そうなったこずが今たでに䞀床もないからな。でも、俺は想像する。䞖界䞭の拍手喝采をこの赀い靎が聞いおいくこれからの未来をな。俺たちが䞖界䞭を回っおこの街に戻っおきたその瞬間、案倖脱げるず思うぜ。呆れるくらいスルッずな」

タップダンス音楜入る、終わる


今埌も、随時オリゞナル脚本を掲茉しおいきたすので「スキ」や「シェア」どうぞよろしくお願いしたす
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