#13 おじさんダイエットを学ぶ・GI値
血糖値が上がると良くないらしい、という話だけは聞いている。しかし、どうして良くないのかはわからない。
おじさんは考える葦(太め)なので、我ながら惚れ惚れするスピードでインターネットの海に答えを求めた。どうにもこういうことらしい。
・血糖値とは血中に含まれる糖分の値。基本的に食後に上がり、ゆっくりと下がる。
・血糖値が高い状態が長いと、心臓病や糖尿病になりやすくなるので良い状態ではない。
・血糖値が急上昇すると血管が傷むし、膵臓がインスリンを分泌して血糖値を下げるが、インスリンは糖を脂肪に変えてしまうので太りやすくなる。
・食品の「血糖値の上がりやすさ」を数値化したものを「GI値」という。
3行にはできなかったがおおまかに把握した。GI値が高いものを控え、低いものを積極的に食べるようにするのが良さそうだ。ちなみにGI値のほかにも似た尺度はあるが、今回は省略する。
GI値は70以上で高GI、69~50が中GI、50未満が低GIに分類される。GI値が高い食品の中でも代表的なものが以下である。
氷砂糖 100
上白糖 99
食パン 95
チョコレート 91
じゃがいも 90
白米 88
モチ 85
うどん 85
いちごジャム 82
こしあん 80
精白された炭水化物の数値がすごい。
まさか食パンが砂糖を猛追するほどとは。玄米は55、全粒粉パンが50。精白は健康と引き換えに美味しさを追求した悪魔との取引である。世界の美食は全て悪魔が関わっている。上記のデータは古い可能性があるので盲信はできないが、目安にはできるだろう。
意外だったのが、パスタのGI値は65。案外低い。米が88と考えるとだいぶマシに思える。もちろん脂肪分が高いものと食べることが多いパスタがヘルシーという結論は出せないが、全食白米よりはいくらかいいのだろうか。
それはさておきおじさんはパスタが好きなので茹でる。
おじさんのタンメンパスタ
材料(1食分)
スパゲティ 100g
キャベツor白菜 100g
ニンジン 20g
玉ねぎ 四半分
ピーマン 1個
水 150cc
鶏ガラスープの素 小さじ2
塩コショウ 少々
ごま油 大さじ1
作り方
1.野菜を全て薄切り、細切りする。スパゲティは塩を入れずに茹でる。
2.フライパンにごま油を引き、野菜を炒める。
3.野菜に油が回ったら鶏ガラスープの素と水、塩コショウを入れ5分ほど煮る。
4.茹で上がったスパゲティを丼に入れ、上から3をかける。
※おいしい。
パスタタンメンについて
幼い頃からタンメンという食べ物を食べた記憶がない。おそらく本当に食べていないのであろう、タンメンにはそういった雰囲気がある。一軍じゃないというか、あまり目立たない同級生のようである。若いうちは中華屋ではチャーシュー麺やチャーハンや酢豚を食べてしまうアンチヘルシー主義になりがちで、ヘルシーメニューの相対的な価値は限りなくゼロに近かった。「メニューの端にあるな」程度の存在感。食後に脂っこくなった口内を冷たい水で流していた。
おじさんがタンメンを作り出したのはここ数年の、おじさんがおじさんになってからの話である。中華料理ではなく、パスタ料理のバリエーションとして。おじさんは手軽さからパスタ料理が好きなのだが、パスタに飽きなくても「洋風の味付け」には飽きが来る。オリーブオイルと生クリームに疲れる日が来るのだ。
飽食ここに極まれるおじさんは南米アマゾンに向かった。とある洞窟で「パスタでタンメンを作り給う」と空飛ぶスパゲッティ・モンスター様の神託を受け、帰宅して大鍋でパスタを茹で始めた。
人には先入観がつきもので、食事に対しては最も顕著に現れる。別名を偏見という。学校給食における「ご飯に牛乳は合わない問題」である。日本人の多くはブッダが苦行の後にミルク粥を食べていたことに引いていたはずだ。しかし世界的に見れば牛乳と米の組み合わせは目くじらを立てるような特異事例ではない。現代日本でもリゾットが食べられているし、ミラノ風ドリアの値段に戦慄している。牛乳と米だけを食べるから合わないのだ。生肉と生麦を食べて「肉と麦は合わない」と主張するようなものだ。グリマスに地の果てまで追いかけられろ。おじさんは洋食メニューのみに牛乳を加えることを支持する政治的立場を取る。
中華麺に対する先入観は「ラーメン」である。中華麺の就職先はラーメン或いは冷やし中華のみが上級として認められている。悲しいがこれは事実である。中華料理国政府は真実を報道していない。立ち上がれ人民。このメッセージは自動的に消滅する。
タンメンは中華麺でなくとも良い。むしろ、鶏ガラと野菜スープのパスタと考えるとしっくり来た。なんの違和感もなくこういう料理として食べられるものだ。タンメンは野菜が多いほうが美味しいので、自然とたっぷり野菜になる。本当は干し椎茸ときくらげも入れたい。思えば、パスタに和風だしも合うのだから、中華だしが合わない道理はない。なにせ乾麺なので手軽だ。動物性タンパク質なしでこの満足感はなかなか素晴らしい。
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