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時代証言

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2021年1月の記事一覧

◎吉良邸の怪

 冬の日差しが障子を明るく照らし、梢の影を濃く映している。老人ばかりの静かな室内は思いの外暖かだ。内蔵助は書物に目を遣ってはいるものの、文字を追ってはいない。前年暮れに亡君の遺恨を晴らした後ここ細川家に預かりとなったままひと月となるのに、幕閣はいたずらに評定を繰り返すのみで未だ沙汰がない。もとより切腹は覚悟のうえの吉良邸討ち入りで、本懐を遂げ得たことに悔いのあろうはずもなかったが、公儀の沙汰を待つ間に細川家の用人を通して伝え聞くのは、不本意にも殺傷した敵方の四十人を越える人数

これから塾講師バイトを始めようと思っている人に向けて

(1)「どこでもいい」はマズイかもしれない  ぶっちゃけこの業種、かなりブラックなところがある。基本的に給料が出るのは授業を実際にしている間だけで、やってみれば分かるけどある程度慣れてこないと授業の準備にも時間がかかる。内容を覚えればいい、と思っているかもしれないけど授業用プリントの印刷、自分用の縮小印刷、テキストに目を通してどの問題を解くかピックアップ…と、まぁやることって結構ある。  授業準備に5分とか10分とか分の給料を出してくれるなら、かなり良い方だと思っていい。授業

ピンク映画と日活ロマンポルノ 1

私は1984年〜1986年位の足掛け3年間にかけて、ピンク映画と日活ロマンポルノに約90本位出演した。この本数は決して多い方ではない。 この当時のピンク映画に関わっていた女優で、年数を重ねている者であれば、100本位はいっていたであろう。つまりそれ位のスピードで制作されていたし、女優不足というのもあった。 私は役者に憧れはあったものの、勉強は一切していないし、不器用である。顔が可愛い訳でもないし、幼児体型だ。その私でも仕事があったのは、唯一得意分野「SMもの、緊縛もの」が