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時代証言

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2019年5月の記事一覧

コジェーヴ『ヘーゲル読解入門』の「日本化についての註」について

 本郷和人先生の『乱と変の日本』の中で、コジェーブが「人間の歴史を学びたいのであれば、日本の歴史を学べ」と述べていることを「はじめに」で紹介し、日本は気候、異民族支配などの影響がないところで歴史が展開されたので、人間がどのように発展するかを見る上で、もっともいい教科書になるとしていました(p.22-)。  これが、どこから引用されたのかは不明なのですが、コジェーヴの『ヘーゲル読解入門』を元に、少し考えてみたいと思います。コジェーヴは同書の第2版に「日本化についての註」を付け

5月24日。大場みな子「結婚生活を退屈させない唯一の方法は、双方が全力をあげて伸びようとすることである」

大庭 みな子(おおば みなこ、1930年11月11日 - 2007年5月24日)は日本の小説家。 敗戦の夏、原爆後の広島市に救援隊として動員される。19歳で夫になる大場利夫と出会う。津田塾大学卒業後、25歳で結婚。小説を書き続けることが条件だった。29歳、夫の赴任先・アラスカで本格的に執筆を始める。11年間の滞米中にアメリカ各地を旅する。32歳、ウイスコンシン州立大学の美術科、大学院生としてマジソンに住む。38歳、アメリカの市民生活を描いたデビュー作『三匹の蟹』で、群像新人