あたしの手はどこ
孫娘はお絵描きが大好き
小さな手のひらに収まるくらいの紙にも
鳥や魚や花や人を
こまごまと
色とりどり
ぎっしり
思うままに描く
いったん
絵の世界に入り込んでしまうと
周りから呼びかけても
耳に入らなくなる
戦火に追われ
傷つき
逃げ惑う
ガザ地区にも
お絵描き大好きな少女がいる
爆撃音の響く中であっても
絵の世界に入るひとときがありさえすれば
(ほんのわずかかもしれないけれど)
いっときの夢を見て
少女は過ごせるはずだ
ところが
あろうことか
空爆が少女の大切な右手を奪い取った
「あたしの手はどこにいったの?」
何度も大人たちに訊ね
尋ね
少女は悲しみに
凍えているのではないか
病院も家屋も破壊され続け
罪なき人々のいのちが消され
息吹が遮られた
灰色の地へと化してゆく
止まらない惨(むご)い現実
「どうしたらまた絵を描けるようになるの?」
この子を救済するための
どんな応答があるというのか
わたしたちに
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厳冬が急にやってきました。
私の身体はぎすぎすです。
みなさんはお元気でお過ごしですか。
今回のテーマは、少女の手です。
ガザ地区からのレポートを読んで、胸が痛みました。
この思いをみなさんの胸に伝えられる表現になったかどうか。
来週も水曜日か木曜日に更新する予定です。
また見に来てください。
私もみなさんのページを訪ねます。
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