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奇跡のインド20

インドに行って私の身に、奇跡が起きたのかもしれないと、今では真剣に思っている。

このたびのツアーに参加するにあたって、現状を打破する何かのきっかけになればいいと思ってはいたが、何かが本当に変わるとは、さすがに期待していなかった。そんなに簡単に人生が変わったら、苦労はない。

今はまだ旅から戻って浮かれているだけで、そのうちに夢から覚めるかもしれない。奇跡が起きたかも、と浮かれて思っているだけで、奇跡は起きていないのかもしれない。

でももしかすると逆に、私が奇跡だと思っていることは奇跡ではなく、本来の世界そのものなのかもしれない。普段、曇った目で世界を見ているので、世界の美しさに気づくことができていなかっただけなのかもしれない。わからない。

その答えが出るのは、もう少し先になるのだろうし、仮に私が世界の美しさに気づくことができたのだとしても、そのうちにまた新たな課題が与えられて、困難に直面することになるのだろう。
ただ、一つ言えるのは、もしまた行き詰まったら、またアシュラムに行けばいい、ということだ。あるいはアシュラムに行く必要さえなく、ヨガ教室に足を運んでみれば、それで済む話かもしれない。

普段私はオンラインで、自宅で1人でヨガをやっている。今や自宅に、ヨガのための部屋さえある(といっても単に、今まであまり使っていなかった和室で、ヨガをやっているだけの話だが)。
コロナ禍の前までは、今回の団体ではない別の団体で、私は長い間、対面でヨガをやっていた。しかしコロナでそこを辞めてしまって、縁あって今回の団体に、オンラインでお世話になることになった。また前のように対面で、今度はここの教室に通えばいいのかもしれない。そうすればきっと、一緒に旅をした仲間とも、教室で再会することができるに違いない。

将来のことはわからない。現に私が今回、以前さんざんな思いをしたインドに、再び行くことになるなんて、自分自身でも予想してなかった。

逃げ場というか、拠り所を確保しておくことは大切で、拠り所は多いに越したことはないと思う。困ったときはアシュラムへ。そう思っていれば、今後何か困ったことが起きても、なんとかやり過ごすことができるんじゃないか、そう思うのだ。(了)

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