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食生活を見直してみた 11

復食2日目、金曜日。
この日夫は、おかゆに加えて重ね煮も食べてよいことになっていた。

重ね煮はもうストックがなかったので、新しく作らなくてはならない。朝早めに起きて、今度は夫に作ってもらった。
重ね煮は、野菜を切って塩をして蒸し煮にするだけだ。料理をしない夫でも、野菜を切ることくらいはできる。私が側に付いて夫に指示を出しながら、自分で作ってもらった。
そのあいだに私は、おかゆを作った。仕事の日の朝から、しかももう金曜日で疲れているのに、料理をするなんて!
この日の朝、私は食事を元に戻した。夜には飲み会があるし、前日一日かけて復食したのだから、もういいだろうと思ったのだ。一つだけ残っていた奄美ドーナツと、大きなバナナと、重ね煮を味見程度と、白湯と番茶を朝食にした。いつも食べるヨーグルトやコーヒーやゆで卵は、まだ見合わせることにした。

お昼は行きつけの定食屋ラインナップの中から、量が少なめの店を選んだ。そこはほんの一口の野菜の小鉢が四つ付いて、選べるメインとごはんと味噌汁がつく。ごはんは小盛りにしてくれるので、ここでは普段から小盛りにしてもらっている。いつものようにおいしくいただいたが、なにせ30回は噛まなくてはならないのだ。この店でもいつもとは別人のように、食事に時間がかかった。

そしてこの日は夜が飲み会だった。飲み会と言っても、いつも定期的にやっている、女性3人だけの会食だ。融通はきくし、一昨日に断食したことについては、開示している。
そしたらその中のひとりに、断食経験があった。彼女が断食に挑戦したことは知っていたが、なんと、減食1週間、断食1週間、回復食1週間の、計3週間もやったのだそうだ。見上げたものだ。彼女の場合も私と同様、それほどお腹は減らなかったが、アルコールを抜くのがきつかったと言っていた。機会があればまたチャレンジしたい、とも。

たまたまこの日は、私にとって打ってつけの店だった。あるエスニックレストランが予約してあったが、そこはベジタリアンレストランなのではないかというほどヘルシーだったのだ。
野菜だけでできた前菜盛り合わせやサラダ、ひよこ豆のコロッケなど、最初の三品はすべてベジ対応だった。海外にはベジタリアンも少なくないので、珍しい話でもないのだろうか。
日本だって昔は、ほぼ菜食だった。それがいまや、日本人の野菜摂取量は世界的に見ても少ないらしい。残念だ。
肉料理には羊が入っていたので、自然にパスできた(私は羊が苦手なのだ)。そのあとにメイン料理っぽいメニューを二品頼んだが、一つはこれまた野菜中心で、動物性のものは卵が入っているだけ。もう一つの鶏肉料理も、ひよこ豆が中心で、そこに少し鶏肉が入っていただけだ。私は食事制限中と言っても、ベジ生活を送っているわけではない。卵もお肉もおいしくいただいた。そして、世の中にはこんなヘルシーな食事をしている国があるんだ、と感心した。

それでも会食だとやはり、30回噛んだりすることはできないし、量を少なめに抑えることも難しい。食は大きな楽しみでもあるので、普段はそんなことを気にする必要はないと思うのだが、今は気になる。
そしてなによりも驚いたのは、お酒が飲めなかったことだ。
もともと飲めるほうではないし、この日は初めから、アルコールを抜こうかとも考えたくらいなのだが、せっかくなのでワインを頼んだ。
ところがそれが飲めなかった。口はつけて少しは飲んだ。でもおいしいと感じなかったのだ。店の名誉のためにも断っておくと、よくないワインだったわけではない。しかし体が受け付けなかったので、体の声に従って、残した。

帰宅すると、夫はオンラインズームミーティングを終えたところだった。明日はいよいよ復食説明会だ。
〈12へ続く〉

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