短編小説「俺のおごり街」後編
クレープはパティシエとの出会いにより、絵描きとしての自信を取り戻した。
だが、「俺のおごり街」での生活は厳しく、
中心街から離れた小さな小屋で絵を描き、毎日夕方から夜に掛けて、中心街で絵を売る生活を繰り返していた。
そんな寒い日の夜、仕事帰りのパティシエと偶然にも再会する。「この絵、好きです」微笑ましくつぶやくパティシエにクレープは涙を浮かべた。
その絵は、月と水面に立っている1人の少女の絵だった。
「この絵、差し上げます」急いでその場を去ろうとするクレープにパティシ