本木涼裕

主に趣味で小説などを書いております。読んでいただけると幸いです。X→@1001motu…

本木涼裕

主に趣味で小説などを書いております。読んでいただけると幸いです。X→@1001motumr

最近の記事

スピリチュアル•ホワイト

ゲームの起動音。 「ようこそ。オアシスへ」 頭の中にサウンドガイドの声が響く。 歩行している中、現実は仮想現実へと入れ替わる。 「私の名前はイーティア。この世界を案内するAIです。あなたのお名前は?」 「ユーザー名を入力してください。」 コマンドが出現する。 「‥ホワイト」 ホワイトは入力を完了する。 「おめでとうございます。本日から貴方様はオアシスの住人です。」 賑やかな街の光景。 「この世界はアバターの世界。新しい自分をみつける為に生まれた世界です。

    • 短編小説「波紋族」

      荒れた大地。謎の少女は今日も歩いていた。 少女が歩いた跡には波紋が広がり、緑が生い茂る。 少女はただ歩く。荒れた荒野を。 2つの月が現れた。夜のようだ。 少女は空を眺める。 見渡す限りの黒い世界と2つ月、流れる銀河の光景が少女は好きだった。 彼女は何者なのだろうか。 人気はない。生き物の気配もない。 彼女は再び歩きだした。 「あと少し‥」 孤独に歩き続ける少女はどこへ向かうのか。 何千年も昔、この星は「アース」と呼ばれていた。 自然が豊かで栄えていたこ

      • 短編小説「俺のおごり街」後編

        クレープはパティシエとの出会いにより、絵描きとしての自信を取り戻した。 だが、「俺のおごり街」での生活は厳しく、 中心街から離れた小さな小屋で絵を描き、毎日夕方から夜に掛けて、中心街で絵を売る生活を繰り返していた。 そんな寒い日の夜、仕事帰りのパティシエと偶然にも再会する。「この絵、好きです」微笑ましくつぶやくパティシエにクレープは涙を浮かべた。 その絵は、月と水面に立っている1人の少女の絵だった。 「この絵、差し上げます」急いでその場を去ろうとするクレープにパティシ

        • 短編小説「俺のおごり街」前編

          俺のおごり街 クレープという少年がいた。クレープは絵描きを目指し、「俺のおごり街」へ登都していた。 クレープは街の中心を歩きながら、周りの人々の声やにぎわいを感じながらふと目にした絵に心を奪われた。 「これは……」彼は呟いた。絵は壁にかけられていて、街の風景が描かれていた。しかし、それはただの風景画ではなかった。その美しさには言葉も出ないほどの魅力があり、クレープは自分の絵に対する自信が揺らいでいった。 彼は絵に描かれた風景の中に自分がいるような感覚を覚えた。まるで自

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