エッセイ:真面目系クズの悲哀〈エレジー〉

　友人とLINEしてたら、「真面目に生きてても損しかないよね」という話題になった。

　彼の場合、仕事や学業を真面目にやってきたのに、ズルや不正を繰り返してきた人達が良い思いをしてきたのを目の当たりにして、疲れ果てているようだった。彼に限らず、現代社会の疲れたサラリーマンはこんな感じなんだろうか。

　対照的に、僕はそもそも別に真面目に生きたいとも思わないし。誰かが生活の面倒見てくれたらそれでいいし、周りや社会がどうなろうと知ったことでもなかった。寄生虫的な生き方をしている。

　かと言って、不良とかヤンキーのように振る舞うこと訳でも無く。仕方なく真面目っぽく振る舞うし、やっぱりそうしていた方が良いに違いなくって。レールから逸脱する元気までは無い。敢えてレッテル貼りすると「真面目系クズ」に分類されるのでしょうかね。

　世の中には、他人の気持ちなんか一切考慮しないDQNモンスターも多いので。僕みたいな真面目系クズは一見すると、「優しく」思えるのかもしれないけど。合理的に対処してるだけで「情」は無いのです。パターンとして覚えているだけ。しかもそれらは、ほとんど恋愛漫画や百合アニメで覚えたことです。

　だから自分の手に余る事態になっちゃうと、「逃げる」か「病む」しか無いんですね。より、楽が出来る安全地帯へと移動していく。「資金源」として親を利用したり、あるいは行政をアテにするわけですね。

　僕は障害年金や、福祉に頼ることで、一定の収入を確保しているけど。同年代と比べると、仕事の成長率はあまりにも少な過ぎる……。

　もちろん、お金だけを得るなら「正解」ではあるんだろうし。「ズル」をしないと、貧困まっしぐらになって、ますます悪循環するのも分かりきったこと。極端な話、食うに困ったら、犯罪に手を染めてでも衣食住を確保するのでしょう。そうならないために利用しているのです。その結果、生活保護よりちょっと良い生活が送れるだけ。

　こんな暮らしでも、羨ましがる人も普通にいると思うし、実際にお金も入ってくる。
　それでも、目に見えない「何か」と戦っている感覚までは消えないんですよ。罪悪感とも少し違った焦燥感。

　自分で書いてて「RTAみたいな人生だな」って思った。ほら、RTAって最速でクリアするのを目的にしてるけど、正規の楽しみ方では無いから、チートを使ってエンディングを見てるようなものだし。
　アイテム欄や能力値のパラメーターなんかも、スカスカなんですね。今の僕もそんな状態なのでしょう。普段目を背けていたけど、こうやって自虐しながらも生きていくのかなぁ……。