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インフレ下 ツクツクホーシ 叫べども

 そろそろツクツクホーシが鳴き始める頃です。聞こえる蝉の鳴き声が季節が進むと変わるように、人間界も秋物が出始めて、『夏物 ご奉仕価格!』→『夏物 売り尽くし!』と特売のPOP表示が変わってくる頃です。もうすぐ『処分品 夏物』と表示から「!」抜けて、研ナオコの歌う《夏をあきらめて~♪ 》のごとく淋しげに変わりるでしょう。
 まあ、ここ数年、衣料品店に足向けてないので昨今はどうなのかわかりませんが。

 スーパーの広告や店頭では、『家計応援』『売り尽くし』『本日のご奉仕品』なんて文字を季節問わずに、相も変わらず見かけるけれど、インフレのせいなのか、酷暑で農作物がダメージを負っているからなのか、その酷暑が物流にも影響を及ぼしているからなのか、その全部なのか。全然お安い感がない。「安い!」と思うと、典型的な安かろう悪かろうなものばかり。レタス1個¥89! でも半分腐ってる。だから誰も買わない。けど、消費者にお安い感はなくても、小売りはギリギリ一杯価格なんだろうなぁ。
 そもそも、以前のように特売日だからって、客が群がっていない感じがする。まだまだ物価は上がるだろうけれど、収入増えてないのに、以前よりずっと高くなった物を今更買いだめしたってねぇ……という感じかしらん。余計な物は買わない。買い控えしてるよね。自分自身を振り返ってみてもね。

 例のロシアのアレで小麦はまた上がるだろうし、世界規模の気候変動でどこもかしこも不作不漁、おまけに日本などいくつかの国では物流や農業分野の高齢化人手不足で食品や日用品の価格もまだまだ上がってくだろうし。そもそも人が足りなくて「作ること」から出来なくなってきている。作られていても運ばれない。だから「モノ」がない。上がるわな。

 タイトルの「ツクツクホーシ」節は、選挙の際にもよく聞くなぁ。「国民(住民)の皆さんのために尽くします」「奉仕の精神で……」
これが○○様に「尽くしなさい」「奉仕しなさい」となると、りりじょん業界でよく聞くわな。
 昔、務めていたところで某団体(いま世間賑わしている団体ではない)信者の上司が某団体のために六割引きでサービスを提供して、上にバレて大目玉食らったって事件があったっけ。彼にしてみれば、某団体のために「ツクツクホーシ」で特売やったんやな。そしてそれは、彼にしてみれば、某団体の教義なのかよう知らんけど、彼が職場によく訪ねてくる信者仲間とよく語っていた「徳」を積む行為であって、徳を積んだのに怒られてしもて「なんでやねん」って感じだったろうよ。しばらく不機嫌だったもん。けどなぁ彼らの徳積み行為って「徳」じゃなくて「欲」積み行為に思える。「徳」を積めば何かよくわからんがたいそうなご利益を得られる、商売繁盛するに違いないって雰囲気が露骨にありありだったからねぇ。欲の押し売り……いや、親切という正体バレバレの仮面を被った徳の押し売りまで、知人に対して唐突にしてたからなぁ。
 う~ん。彼らの考えや感性には、何かのはき違え感がすごくする。更には、そこに彼らの不満や不運感が生まれてくる、そして解消されない根本的な原因があるような気がしてならない。

(余談)
 またしてもアサッテの方向に話が流れて行ってしまった。この癖、なんとかならんかなぁ。

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