見出し画像

絵のない俳画「時雨」俳句+

無粋にも折りたたみ傘初時雨

 ぱらぱらと雨が降り出したので、用意していた晴雨兼用の折りたたみ傘をさした。
 まわりでは、小走りにゆく人、軒に雨宿りする人、意に介さず歩く人、さまざまだ。
 急にそんな人たちが、季節の雨にとけ込んだ美しい風景の一つのように見えた。
 周到にも折りたたみ傘を準備していた自分が、かっこわるく思えた。

 でもまあ、今更傘をしまい込むのはもっとかっこわるいし、
 ここは堂々と傘をさしてゆきましょうか。

いいなと思ったら応援しよう!