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頭がいい人、悪い人の違いとは?

今回は、脳科学者である中野信子さんの著書、
「世界中の、頭のいい人がやっていることを1冊にまとめてみた」
という本の内容を紹介します。

頭がいい人の解釈には、例えば「計算が速い」とか、
「記憶力がいい」など、いろいろありますが、
今回紹介するこの本では「世の中を生きていく上での
立ち振る舞いが上手」な頭のいい人を取り上げています。

ものごとに対する考え方のコツを理解していれば、
誰でも立ち振る舞いが上手になれるということですが、
この本を読んだからといって、すぐに頭がよくなることは
ないかも知れません。

それでも自分なりに真似てみることで、知らなかった時よりは
頭がよくなったと感じられるかもしれませんので、
有名な脳科学者である中野さんの話を聞いてみましょう。






世界で活躍している頭のいい人は

KY率が高い


日本では、周りと歩調を合わせることを美徳とする風潮が
ありますので、空気が読めないことを欠点として扱い、
一時期[KY」という言葉が流行りました。

思いやりの心を持って、周りの人を気遣うことは
とても素晴らしいのですが、世界で活躍している頭のいい人には、
「KY」が多いようです。

著者の先輩である、2人の日本人研究者がいます。
ひとりは、空気を読まないことで己を貫いているSさん
もうひとりは、みんなを気遣って自分の希望しない研究にも
手を貸すHさん
です。


Sさんは、自分の得意なものが何かをよく分かっていて、
自分が苦手なことはやりません。
人から苦手なことを頼まれたら全部断るというタイプの
空気を読まない人です。

これは、周囲に自分を合わせるのではなく、周囲が自分に
合わせるようにするということですが、そのスタンスを貫いた結果、
Sさんは日本だけではなく、ヨーロッパでも高い評価を
得ることに成功したそうです。



その一方、周りの空気を読んで、どんな研究にも協力する
タイプのHさんは、周りからも好かれていそうな印象なのに、
評価は今ひとつです。

空気を読まず、好きなことしかしないSさんが
なぜ成功したのかというと、
出来そうもないことは自分でやるのではなく、その分野に
長けている人を探して、その人に任せるという方法をとり、
苦手なところをしっかりとカバーすることが出来ていたからです。

また、Sさんは自分が苦手なところを克服しない代わりに、
得意分野を伸ばすことに時間や労力を全てつぎ込んでいたので、
このような選択が、良い結果を出すことに繋がりました。

最初から、「人に頼ることは良くない」と思うかもしれませんが、
決してそんなことはありません。
人は、誰かに頼りにされると嬉しいものですから、
基本的には喜んで引き受けてくれます。
自分の実力が認められていると分かり、能力をフルに
発揮してくれるでしょう。

そうして、依頼した本人にとっても、協力した人間にとっても
プラスに働く結果となり、最終的には、両者ともに素晴らしい
結果がついて来るのです。
これは、Sさんが自分の得意なことを、他の追随を許さない
ほどまでに極めたからこそ成り立ちました。

いろいろと平均的にこなせるよりも、「この仕事だけは、
誰よりもハイレベルでこなすことができる」という
一つを徹底的に活かし、自分ができないことは、その能力が
高い人に任せればいい・・・・
これは、自分も相手もいい思いができて、最終的には周りから
高い評価を得ることができる良い方法なのです。



皆さんに知っておいていただきたいことは、
「オールマイティになれることなんて滅多にない」
ということです。

空気を読まないことは、周りに気が遣えないとか、
思いやりに欠けているといった悪いイメージしか
なかったかもしれません。
しかし、必ずしもそうとは限らないのです。

人は誰にでも得意、不得意があり、これはどんなに偉い人で
あっても同じです。
不得意なところまで無理して自分で行うより、
得意なところを伸ばす方が良い結果が出せるようになるし、
何より自分が楽しみながら取り組むことができるはずです。








周りからの評価が高い頭のいい人は

仕事を楽しんでいる



政界の実力者と言われるような人たちが生き様を学びたいと
訪れるのが、知る人ぞ知る財界人のYさんです。

Yさんは、良い意味で年齢不相応、迫力のあるオーラと
攻めの姿勢で常に新しいことに挑んでは、
一定の成果を収めているそうです。
特に、3.11東日本大震災が起きた時のYさんの行動は
目を見張るものだったと著者は語っています。

震災鬱(うつ)などで衰弱してしまう人も多いなか、
彼は仮設住宅の受注合戦や、復興のための建設ラッシュが
必ず起こると見越して、真っ先に東北へ飛んでいきました。
結果、Yさんは競争に勝ち、精力的に仕事に
励まれているとのことです。

どんな大変な状況にあっても、どんなことでもチャンスに
変えてしまうYさんですが、なぜこんなに並外れた行動力や
バイタリティーがあるのでしょうか?


Yさんの行動には、ある共通点がありました。
それは、自分が得をしようと思ってやったことが、
誰かの役に立つことにもなっているということで、
3.11の件でも被災地の復興に大きく貢献し、
多くの人の役に立っています。

「自分の利益の追求」=「誰かが本当に必要としていることを
やってあげること」
が、Yさんの中では当たり前に
なっているのです。
このようにYさんは、金銭的な報酬だけでなく、
社会的な報酬も得ています。

人間の脳は、社会的な承認や社会的成功といった
「社会的報酬」が得られると、ドーパミンが大量に分泌されて
快感を覚え、やる気が増幅するという性質があります。
金銭的報酬よりも、名誉ややりがいを優先して行動して
しまうのは、このような脳の性質によるものなのです。

Yさんは、新しいことに挑戦するたびに、多くの人を救っています。

「あなたは素晴らしい」と褒められたり、
「お陰で助かりました、ありがとう」と感謝されることを
繰り返すうちに、その経験がまた次へのやる気と
活力になっているのです。



では、私たちの場合はどうしたらいいでしょうか?

Yさんのように、大事業ができる人は少ないと思いますし、
自分の働きによって、それが利益に直結しているような立場に
ある人も多くないでしょう。

そのような人たちは、「人のためになることをやると、
自分の利益となって跳ね返ってくる」
と考えてみましょう。
あなたに仕事があるのは、会社から必要とされているからなので、
必ず誰かの役に立っているのです。

自分が担当している仕事プラスαの行動を心掛けていれば、
やがて仲間や会社からも認められるようになり、
社会的報酬が得られるでしょう。






頭のいい人は、逆境を味方にして

したたかに生き抜いている



辛い逆境を乗り越えて学問で成功した、頭のいい人が
やっていることを紹介します。

登場するのは、20ヶ国語を操り、ヘブライ大学で言語学を
教えているイタリア系ユダヤ人のSさんです。
Sさんは幼いころに両親を亡くし、養父母の元で過酷な少年時代を
送りました。
自分の財産は一銭たりとも無く、不条理な扱いを耐え忍んで
生きていかなければならなかったそうです。

彼が、学者としての能力や、現在の地位や資産を得ることが
できたのは、彼自身が努力を積み重ねて築いてきた結果です。
逆境に負けて落ちこぼれることも、性格がひねくれる
こともなく、学問の世界で成功し、性格は非常に人懐っこく、
フランクで明るい。
そして、強い精神力も持ち合わせています。

彼は一体なぜそのようになれたのでしょうか?


・・・・・・・


著者が、Sさんと接して感じた、Sさんの強さの秘密があります。
それは、「人のことを悪く言わない」ということ。



人の悪口を言ったり、愚痴をこぼしたりしないことは、
人としてとても素敵なことです。
これは、どんな状況にあっても、それを拒絶せず自分の成長の
源にしていくという力強さがなければできない生き方です。

Sさんは、逆境にあった少年時代に、「どんな人からも
学ぶことがあるので、否定するのではなく、
学びを得て自分の成長に繋げていこう」と、
能動的な攻めの生き方を身につけることができました。

このスキルを持つ人は、たとえ高い壁にぶち当たったり、
大きなストレスやプレッシャーを抱えながらも、
立ち向かわなければならない困難がある時には、
誰のことも傷つけずに戦うことができるのです。

また、何が起こっても他人や別のものごとのせいにはしません。

例えば、良い上司に恵まれていないせいで、なかなか評価されないと
考えているような人は自分のことを不運だと思っているでしょう。

しかし、それはあなただけに起こっていることではありません。
誰しもが、人生のどこかでそのような経験をしているのです。
上手くいかなかった原因を外部に求めて、
クヨクヨするのではなく、もっと時間を有効活用しましょう。

Sさんは少年時代から逆境を他人のせいにはしませんでした。
そんなSさんでも、近くに誰も味方がいない時には、
どのようにして負けない心を保っていたのでしょうか?



著者が、実際にSさんに負けない心を保つにはどうすれば
いいか尋ねてみました。
その答えは非常にシンプルで、Sさんを救ったのは
読書だったのです。

Sさんは、養父母に不条理な扱いを受けていた少年時代に、
成績が大変良かったことに対して、養父母の実子から
妬まれてしまい、ある事件の濡れ衣を着せられてしまいます。

その結果、彼はあまり勉強熱心ではない学校に
転校させられることになります。
Sさんは静かに学校を去るのですが、その前に彼の才能を
認めていた教師が、彼にこんなことを言いました。

「次の学校で、いい教師に恵まれるかどうかは分からないので、
一人で悩みを抱えることになるかもしれない。
誰に教えてもらうことができなくとも、これからは世界中の本が
あなたの味方となり、良き先生になってくれるはずだ」
「どの科目を学ぶのか、どの先生に教えてもらうのか、
自由に選択して本から大いに学びなさい」

これを聞いて、Sさんは胸が熱くなりました。


「恵まれた環境がないなら、自分で力をつけるために、
読書をしてたくさん学ぼう!」



Sさんは、図書館に通い詰めるようになりました。

本は、全ての読者に平等で、先生は選び放題です。
怒ることもないし、止めたくなったら途中でやめてもOK、
学ぶスピードは自分のペースで大丈夫。
自分の好きなことを、勉強したいと思った時に勉強できます。

読書から得た哲学を真として自分の人格を作り上げ、
本の登場人物を友として心の支えにすることで、
どんなに苦しい状況でも前向きに生きることができたというSさん。

自分の味方がそばにいなくても、本の中にはいるはずだ!

本は常に読者の味方であるということを心に留め、もっと気楽に
楽しむ感じで表紙を開いてみてはいかがでしょうか・・・

そして今現在、Sさんの家には数万冊の本があるといいます。







世界で通用する頭のいい人というのは、

ただの秀才ではない。

世界中の頭のいい人は、ちょっと非常識だったり、

一見大人げないことをしてみたりすることで、

周りを自分のペースに巻き込んでいく力を持っている。



終わり











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