見出し画像

続 予定外・想定外で綺麗な景色に出会えることもある ~撮影旅行よもやま話集~

 山中湖の湖畔で、波が立っていない早朝の逆さ富士を写そうと、今回もF1さんの運転で、写真仲間達は夜中に東名高速道路をひた走ります。

 おかげ様で、夜明けの2時間ほど前には、山中湖の湖畔に到着しました。

 月明りで、富士山がとても綺麗に見えていますが、ここで予定外・想定外に、満月に近いほぼ丸いお月さんが、富士山の頂上方向に沈んて行くではありませんか。

 これが、いわゆる『パール富士』などと言われている、富士山の風景なのだと思います。

 この風景『パール富士』を写さないわけにはいかないと、小生と写真仲間達は仮眠を中止して、慌ててカメラバックと三脚を持って、湖畔の水際ギリギリを目指しました。

 撮影のタイミング的には、精々あと5分~10分程度、皆急いで撮影の準備を始めましたよ。

 しかし、大判さんだけは、『パール富士』の撮影をあっさり諦めました。

 「私は撮影準備が絶対に間に合わないから、『燗板娘』でも飲みながら眺めているね~。大判は撮影の準備が大変だから仕方がないよね~」と、一人だけお酒を飲む準備を始めてしまいました。

 「月明りで結構明るいけど、撮影データってどのくらいかな~」
 「富士と逆さ富士の全部を入れようか、月をクローズアップしようか」
 「バルブで何秒くらい開けておく必要があるかな~」
 「やっぱり絞りは開放だよね~」
 「写せてもたぶん1~2枚だよね~」
などと各々が思い思いのことを言いながらも、順調に撮影準備が進みます。

 「私が時計で秒数を数えながらのタイムカウントだけはするから、頑張って写してね~」と言いながらも、小生も645改に広角レンズをセット。

 カメラの絞りをF4、距離をほぼ無限大にしてバルブ撮影開始です。

 このときに何秒のバルブ撮影だったかは不確かですが、現像した結果として、幻想的で綺麗な写真に仕上がったことで、良しとしておきましょう。

 何せフイルムカメラでの撮影なので、何もデータが残って無いのです。

 今のデジタルカメラならば、画像ファイルに撮影データが全て残っているので、画像ファイルのプロパティを開いて、後から調べることも出来るのですが・・・

 他の写真仲間達の写真撮影結果はどうだったか、今となっては確認のしようもありませんが、きっと、それなりに写せていただろうと思います。

 ただ、一人お酒を飲んでいた大判さんの「みんな~撮影ご苦労さ~ん。ちょっと寒かったけど、富士山の月見酒で、日本酒が美味かったよ~」との、我々が撮影を終了した後の一言だけは、何となく覚えています。

山中湖でのパール富士


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?