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読書感想:羅生門 *ネタバレあり*

Ⅰ.マイ芥川遍歴

きっかけは国語の教科書

芥川龍之介といえば、短編小説をいくつも発表して衝撃的な最期を迎えた文豪ですね。
教科書じゃなくて、文豪ストレイドッグスから入った方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?

私の初めましては、学校の教科書でした。

昔から本を読むのは大好きだったんです。
なので国語の成績も良い方ではあったんですが、どうにも嫌いというか癪に障る設問がありました。

『この時の○○(作者だったり登場人物だったり)の気持ちを答えよ』

いやキャラクターの心情はともかく作者の気持ちなんぞ知らんっちゅうねん!
それちゃんとご本人に聞いてきたんか!?
お役人さんの想像やないんか!?

大人になった今なら、そう設問するのもまぁ分からなくもないかな?という感じです。

設問から導かれる解答が決まっている数学や科学(化学)と違って、内容に関する解答は読んだ側の数だけある、という思考は今でもありますが…。

教科書はお得なアンソロジー

学年ごとに教科書の単元が増えたり難易度が上がったりしますよね。

国語の教科書は学年が上がるにつれて短編小説だけではなく、戦争についての話しや古文なんかも出てきます。

《祇園精舎の鐘の声。諸行無常の響きあり》

《今は昔、竹取の翁と言うものありけり。野山に交じりて竹を取りつつ萬のことに使いけり》

当時、暗唱させられたことがある方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?私もそれで居残りさせられました。

未だに何で暗唱させられたのか不明だし、結局はこの程度しか覚えてないんですが、サラっと出てくる程度には役に立ってますね。

しかし、教科書というのは自分ではなかなか手を出さないジャンルの作品を簡単に読むことが出来る1冊です。

テストでいい点を取るために、っていう授業ではどちらかというと【読まされている】感が強いですけどね(その点だけはとても嫌いでした)。

衝撃的だった読後感

そんなこんなで暇だった授業中、まだ習っていない部分を読んだりしていました。

その中に、私が今でも読み返してしまうくらいハマった羅生門がありました。

この体験がなければ、私の人生に芥川龍之介は存在しなかったといっても過言ではありません。

芋粥や鼻、地獄変など他の作品を読むこともなかったと思います。

では、いよいよ読書感想に入ります。
後半はネタバレを含みますので、気になる方はご注意下さい。

Ⅱ.読書感想①(ネタバレなし)

この雰囲気は、なかなか他に類を見ないんじゃないかなと思います。

こんな作品を多感な中学生に読ませていいのかと驚いた反面、感受性によっては嗜好が変わってしまうんじゃないかなぁと。

現に私はこの世界観の虜となってしまい、読んで字のごとく漁るように読み耽りました。

何度読んでも同じものを感じ、何度読んでも違う感想を抱く。
そんな不思議な魅力を持つお話です。

Ⅲ.読書感想②(ネタバレあり)

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