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神田神社

 神田神社は滋賀県の大津、真野に坐す古社で延喜式内社です。ここは彦国葺命をお祀りしており、和爾氏の祖先、真野の民の祖先を崇じています。
 堅田駅から北に20分ほど歩けば真野という土地で、そのあたりに神田神社が、上の宮と下の宮と2社あります。下の宮はとくに社殿は新しく改まり、境内の灯籠には電球が灯り、とても地域の人々から大切にされているのを感じます。清々しいお宮でした。
 彦国葺命は和爾氏の祖先で、真野からさらに北に行きますと和邇という土地がありますから、このあたりは和邇氏の土地だったのだと思います。和邇氏と申しますと奈良の和爾下神社のあたり、櫟本町を連想いたします。
 「わに」と申しますと、古語においては現代で言うところのサメのことを意味するとも聞きます。そのことから和邇氏を渡来の人々と見る向きもあると伺います。
 和邇氏のことはいまだ不勉強でなんとも分かりませんが、近江の和邇のちかくには小野という土地もあり、小野妹子、小野篁、小野道風らの故地であったことも考え合わせますと和邇もまた渡来系の人々であったかもしれません。
 司馬遼太郎は近江商人の起源として、近江には渡来の人々が多くいたがために、数理に長け、商才があったのだと述べているようです。果たして渡来の血が近江人の才能の源かはわかりませんが、近江には新羅神社、鏡神社あり、新羅から来た神である天日槍を祀るなど、渡来の香りが強い土地のひとつであることは確かです。近江商人は高島屋、三菱UFJ、みずほ、丸紅、伊藤忠などの元を築き、現在もたねや、近江兄弟社などの繁盛していることは有名です。
 神田社は下社には駐車場があります。
 「手が届く鳥居」など面白いものもありますから、是非一度どなたもお参りなさると楽しいかと思います。

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