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右サイドの優位性 J1第6節 京都0-3神戸

 いつしか鬼門になってしまった京都戦。昨季ダブルをくらったのは記憶に新しいが、2010シーズンには、松岡榎本の2名が退場→GKを河本が務める→0-3で敗戦という苦い試合があった。神戸サポにとっては今も悪夢が蘇るカードではないだろうか。さらに京都はリーグ戦3連勝中。不安が大きい中での試合になった。
 
 開始から京都ペースで試合が進む。パトリックにボールを集め、セカンドボールを死に物狂いで取りに来る京都。
 両チームともCFにボールを集める戦い方なのだが、キーとなる両CFのプレースタイルが全く違っていて面白い。しなやかにボールを収めて味方に繋ぐ大迫と違い、無理な体勢でも体を投げ出し、相手と潰れることで守備に穴を開けようとするパトリック。本多もよく頑張っていたが、マークするのは大変だったろう。
 更にしんどいなと思ったのが、左サイドをどんどん上がってくる京都の左SB佐藤の存在。対峙する武藤が引っ張られてしまい、ボールに関与する位置が低くなっていたように感じた。前半は完全に京都の試合。

 後半になって、高徳があまり高い位置を取らず、やや守備に重きを置いていた印象。武藤に攻撃のタスクを与えることで、右サイドのトライアングル(大迫‐武藤‐蛍)が形成できた。
 後半に3得点できたのはこの右サイドが機能したからだと思う。全てが右を経由して得点が生まれている。

 今季の神戸を支えている右サイドの優位性。これを支えているのは、私は左SB初瀬の成長があるからだと思っている。まず、球際で身体を張れるようになった。そして、アップダウンできる体力がついたことで余裕が生まれ、持ち前のキック精度が活きている。51分に相手をいなし、前に運んだシーンは今まであまり見たことのないプレーだった。 
 昨年までは左SBは高徳が務めることが多かったが、初瀬が急成長したおかげで、高徳が右SBに専念できるようになった。それによって、右サイドは高徳・武藤・蛍が固まる神戸の強力な武器になっている。

 出場が期待されたイニエスタだが出番なし。肉弾戦の応酬になったこの試合は温存でよかった。先日のルヴァンカップで実力の片鱗を見せつけている。

 この強度がいつまでも続くとは思わないし、ボールを握れるキャプテンの存在が必要になるときがきっと来る。

 鬼門・京都を倒し、今節も勝ち点を積み重ねることができた神戸。初瀬のダンスやら、吉田監督のエイプリルフールジョークやら飛び出して、チームはすごくポジティブな雰囲気である。



 今節も歓喜をありがとう、ヴィッセル神戸。次節も勝利を!


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