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惚れそうになった友達

自分の恋愛対象は女だし男を好きになったことはない。彼女もいたことが無い。だけどもし自分が女だったら好きになってただろうなと思う友達がいる。

彼と出会ったのは高校の時だ。同じ部活だから会えた。部活が違ったら顔も知らなかっただろう。少なくとも仲良くなれてはいない。会った時からなんか気怠い感じの色気を漂わせていた。そして中身もそんな感じだった。服のセンスはよかったし、音楽もいい曲を沢山知っていてサブカルを一通り通ってきた感じだった。彼のおかげで知ったブランドとか曲とかが結構ある。世界を広げさせてもらった。彼が好きなモノを語っているのを聞くのが面白かった。よく知ってるなあと感心したしそれだけ語れる熱量と知識が羨ましかった。

長所があれば短所もあるわけで彼は集団生活が得意なタイプではなかった。それは人間関係の問題ではない。友達には困らないタイプだったけど、何にも縛られるのが嫌いな感じだった。思うがままに行動する人だったから気分が乗らない時は部活の練習にも来なかったし、課題とかも多分ちゃんと出してなかったと思う。だから成績は落ちぶれていたし実際高3に上がるタイミングで通信制の高校に転校していった。彼らしいといえばらしい。

タイトルで惚れそうになった友達と書いたように男の自分でもカッコ良さを感じていたから、実際ある程度モテていた。高校で2,3人と付き合っていたはず。パッと見じゃ少しおっかないかもしれないが、明るく喋るし相手に気を遣わせない話し方をする。気軽にこっちも言い返せるような雰囲気で喋ってくれる。それでいて見た目は切長の目や薄い唇とかからちょっと影のあるような雰囲気を漂わせているから刺さる人には刺さる。

去年の8,9月ぐらいに高校卒業ぶりに会った。思ったより変わってなくて良かった。もっと派手な服だったり髪だったりしてるかと思ったけど案外常識の範疇に収まるものだった。でも相変わらずセンスは良かった。ただの黒地のTシャツでもカッコよく着こなせる人なのだ。そして喋りも変わってなかった。好きなものについてとか今思ってることとか将来のこととかを話しているのを聴くのがたまらなく面白い。何も取り繕うことなくそれで熱をもって言ってくれるからなのか。

なぜ変わってなくて良かったかというと何となく危うさがあったからだ。高校の時は大麻吸いたいとか言って大麻を家で育てる計画を言ってたし髪型はかなり刈り上げたツーブロだったしなんか危うい人だった。ちょっと生き急いでいるようないつ死んでもいいと思ってそうな感じがあった。会ったときはフリーターだったけど、正社員になりたいと言っていた。それを聞いてちゃんと未来を見ているのが分かってよかった。

何がいいって、ちゃんと心からの会話ができるのがいい。友達でもそれをできる人はあんまりいない。会って話をすると自然と深い話になっていく。なんでも言ってしまいそうになる。完全に心を許してしまっている。だからあまり遠い所には行って欲しくない。俺もそんな遠くには行かないので。

最後に彼がオススメしてくれた曲を置いときます。


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