丸い自殺願望

高校生の頃なんとなく死にたいと思っていた。別に何かめちゃくちゃ嫌なことがあった訳ではない。将来を悲観していた。高校卒業した後は大学に行く。そして就職して定年までおそらく働く。その後何かしらの病気になって死ぬ。高校生の自分が想像した未来はこんな短い文章で表せるものだった。それがとてつもなく無意味に思った。だから死にたい、今死んでしまった方がハッピーエンドだろうと思っていた。高校3年の夏あたりに橋から川に飛び込んで死ねたらいいと勝手に思っていた。

今思えば陰鬱な日々を過ごしていたから思考も暗くなっていたんだろう。当時は部活しか楽しみが無かった。暗い日々が徐々に暗い未来を想像させていたんだろうと感じる。

でも死にたいと思っていたのは事実だ。じゃあ何で今生きてるんだとなる。それは成功体験のおかげだ。最後の部活の大会でいつになく活躍できた。走馬灯には出てくるであろういい思い出だ。それが頭から離れなかった。あの時あれぐらいやれたんだからこの先もどうにかなるんじゃないかと思えた。そんな感じでその後も淡々と日々を過ごした。勉強はあまり頑張れなかったのでセンターで大した点は取れなかったが実際どうにかはなっている。

高校生の自分は数行の文で収まるような将来を悲観していたけど、案外その将来が面白いんだよな。大学4年間がもう少しで終わるけど実際面白かった。友達はあまり増えなかったけど、1人でいろんな所に行ったしいろんな経験ができたと思う。学問の面白さはまだ分かりきれてないけど、人生の面白さは結構分かってきた気がする。まだ行ったことない場所とか知らない音楽とかが沢山ある。それらを自分で味わい尽くすために生き続けようと今は思っている。そうなるとこの人生ちょっと短すぎるんじゃないか? 残り60年ぐらいじゃどうにも足りないね。

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