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成人発達理論から見るリーダーシップと交渉学 −2-

vol.0010−2
■下記の論文から
『成人発達理論から見るリーダーシップと交渉学』渡邊竜介
日本説得交渉学会誌 2019年、Vol.11、p1-13.13p.
https://web.p.ebscohost.com/abstract?direct=true&profile=ehost&scope=site&authtype=crawler&jrnl=18834310&AN=140939225&h=9lqa%2fq8ydFwP8w3BxgmrHOswz29C1SCdpKyovAflh7SVPmOvgxCXxwnw94VkI12vKwj0b4ykcdeHWMQtv4Caqw%3d%3d&crl=c&resultNs=AdminWebAuth&resultLocal=ErrCrlNotAuth&crlhashurl=login.aspx%3fdirect%3dtrue%26profile%3dehost%26scope%3dsite%26authtype%3dcrawler%26jrnl%3d18834310%26AN%3d140939225

▶︎キーガン(2009)が考える2つの学習(情報獲得型学習と変容型学習)
情報獲得型学習(informational leaning)

 具体的な知識やスキルを増やしていくこと。
変容型学習(transformational learning)
 スキルや知識を受け入れる器(キャパシティ)自信を変えていくこと。

レイ・ダリオは彼の著書『 PRINCIPLES』(2017)の中で以下のように述べている。

人生で成功と言えることがあったとしたら、私が何かを知っていたからというよりも、知らないことにどう対応するかを知っていたからだ。

『 PRINCIPLES』(2017)

例えば、経営に必要な知識を一通り学んだとしても、経営が万事うまくいくかというとそうではない。そういったスキルや知識の習得だけでは対応できない状況に対応できるようになるため、考え方の器を変えていく。器を大きくしていく必要がある。

▶︎キーガンの5つの発達段階
第一段階
「直感マインド」生まれてから幼少期まで

第2段階(自己至上マインド)
7歳ぐらいから思春期にかけて発達する段階、この段階のまま成人に至る人もいる。自分以外の人は自分の欲求や関心を満たしてくれる味方か、それを阻害する敵かのどちらかとなる。

第3段階(社会化マインド)
思春期の後期以降から成人に至るまで、多くの大人が所属する段階になる。他者の感情といった抽象的な概念を理解できるようになる。そして、自分の言動が相手の感情にどんな影響を与えるかについても理解できるようになる。良い社会人になるには、社会化マインドを身につけることが必須となる。この時期は、他者からの期待に応えることが主体になっているので、自分としての優先順位をうまくつけることができなくなり、場合によっては精神的にバーンアウトしてしまうことがあり得る。これが第3段階の限界である。

第4段階(自己主導マインド)
自己主導マインドの人はそういった世の中からの期待を客体視することができるようになる。したがって、さまざまな期待がある中で自分は何をしなければならないかという優先順位をつけられるようになる。それによって、自分がつけた優先順位に対して責任を持つことができるようになる。

第5段階(自己変容マインド)
自己主導マインドのさらに上の段階とは、ある程度理想状の段階と言える。この段階では、複数の他者の価値観と自分自身の価値観、それら全てを尊重し、客体視できるようになる。それらの価値観が一見矛盾していたり、相反していたりしたとしても、優先順位をつけたり、一部を否定したりするのではなく、全く異なるものの中から共通項や類似点を見つけ、それら全てを包含するような新しいシステムを作り出せるようになる。

今日の私の面白Point:第3段階は私の二十歳の頃
私の二十歳はまさに第3段階の限界だったのだ。
そうだ!バーンアウトしていたんだ。あぁ…


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