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成人発達理論から見るリーダーシップと交渉学 −3-

vol.0010−3
■下記の論文から
『成人発達理論から見るリーダーシップと交渉学』渡邊竜介
日本説得交渉学会誌 2019年、Vol.11、p1-13.13p.
https://web.p.ebscohost.com/abstract?direct=true&profile=ehost&scope=site&authtype=crawler&jrnl=18834310&AN=140939225&h=9lqa%2fq8ydFwP8w3BxgmrHOswz29C1SCdpKyovAflh7SVPmOvgxCXxwnw94VkI12vKwj0b4ykcdeHWMQtv4Caqw%3d%3d&crl=c&resultNs=AdminWebAuth&resultLocal=ErrCrlNotAuth&crlhashurl=login.aspx%3fdirect%3dtrue%26profile%3dehost%26scope%3dsite%26authtype%3dcrawler%26jrnl%3d18834310%26AN%3d140939225

▶︎リーダーシップ最新潮流
個人に依存するカリスマヒーロー型のリーダーシップ
 ↓
集団やシステムベースのリーダーシップ

一個人では到底対応できない難しい課題を集団で迅速に対応していく体制を整えることこそが、重要なリーダーシップ要件になってきた。したがって、リーダーシップとは、個人に紐づくことではなく、皆で行動するプロセスであるという理解が広まってきた。
むしろこれからの時代は誰もがじっせんすべき、重要な活動であると言える。

「リーダーシップとは、人々が難しい問題に取り組めるように促すプロセスであり活動である。」

ハーバード・ケネディ・スクール リーダシップの権威 ロナルド・ハイフェッツ(1994)

「リーダーシップとは、自分の周りの人たちの成長を促すために、みずからの力を最大限に発揮すること」

Kegan&Lahey 1984

リーダーシップが次のリーダーシップを産む。他者の、そして組織全体のリーダーシップを育む活動こそが、これからの時代にリーダーシップと言える。最近の潮流は、むしろ集団の活動に重点が写ってきており、東洋的な思想との共通点が見受けられる。

▶︎成人発達理論から見るリーダーシップ
このリーダーシップの潮流を成人発達理論の観点から眺めると、いろんなことが考察できる。
これからの時代にふさわしいリーダーシップとはどのようなものであろうか。
答えのない難しい課題に対して、自らの信念や社会の既成概念に縛られず、共同して解を作り出す力が求められている。これこそが、まさに第5段階の自己変容マインドが要求されるリーダーシップだ。私はこれを「共生型リーダーシップ」と呼ぶ。共生型リーダーシップは日本人の特性や価値観にあったスタイルだと思う。成人発達は、直線的に発達するのではなく、ある程度段階的に発達することがわかっている。そういう意味では、過去30年にわたる日本経済の停滞は、さらに上の発達段階に進むための準備期間だったと位置付けることもできる。少子高齢化社会の未来図も実感として見えつつある中、長期視点に立った持続可能な社会システムを共に提示し、実現していく。そうした共生型リーダーシップは、日本から、日本人一人一人から生まれる可能性が高いのではないかと強く感じている

今日の私の面白Point:日本人
30年にわたる経済低迷の日本を「だからダメなんだ」という人もいれば、「日本は経済低迷してない。国際的に比較しても日本経済は決して低迷していない。心配性の国民性のせいだ」という人もいる。そんな中、次世代のリーダーシップ共生型が日本人から生まれる可能性が高いなんて…。本当にそうだとうれしい。そうなって欲しいし、そうなるだろうし、そうなれば誇りを感じる。


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