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#6 チームワークを高める「理想への共感」とは

ー INTRODUCTION ー

【Finding the GOOD presented by 鎌倉投信】
2024年5月マンスリーゲスト サイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野慶久さんに逢いに行ってきました。
4週にかけて、インタビューの様子を公開します。

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ー PROLOGUE ー

今回はサイボウズ株式会社が本社を構える東京日本橋タワーに伺いました。
歴史情緒と近代的な街並みが融合する粋な街、日本橋から、国内にとどまらず、世界に向けて、挑戦を続けるサイボウズ株式会社。

スピード感のある成長を生み出し続けられるのはなぜなのか。どんな理念を掲げ、社会にどんなインパクトを生み出しているのか。

これからの社会にとって本当に必要とされる「いい会社」を厳選し投資する、鎌倉投信も大注目しているサイボウズ株式会社。今月はサイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野慶久さんの価値観を紐解いていきます。

2024年5月マンスリーゲスト サイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野慶久さん

▼インタビュー[#5 サイボウズが成長を続ける理由]を聴く!番組Podcastはこちらから


ー INTERVIEW ー


サイボウズ株式会社の企業理念は「チームワークあふれる社会を創る」ということですが、チームワークの大切さを痛感した実体験はありますか。

 私が新人のとき、当時は電話当番というものがあって、全国の営業所から電話がかかってくるわけです。「課長はいますか」と電話で聞かれるたびに、ホワイトボードに書かれた課長の行き先を読み上げる。なんて非効率なんだろう、と。課長の行き先を全国の営業所と共有できるようにならないだろうか、と考えていたところに、インターネットの技術が出てきたんです。それが、私の原点です。情報共有ができれば、私たちはもっと効率よく働くことができる。それが「チームワークあふれる社会」のイメージです。

チームワークという言葉は広義ですが、青野さんが考える「いい」チームワークとはどんな状態を指すのでしょうか。

 はい。私たちがイメージしているチームワークは、『いろんな人が集まって、良い成果が出せる』というイメージです。仕事ができる人たちが単に集まっている、ということではなく、いろんな人がいていい。家でしか働けない人、午前中だけ働ける人、日本人もいれば、外国人もいる。いろんな人がいるけれども、チームみんな楽しく活動していて、成果も出している。これが、私たちがイメージするチームワークあふれている状態です。この状態をつくるためには、ITの力が必須なんです。そのインフラを、私たちは創っていきたいと考えています。

 少子化によって、もっともっといろんな人を活かしていかなければならないという機運が、ようやく日本でも高まってきたように思います。特に、新型コロナウィルスの影響で、出社しなくてもよい環境が整いました。私たち自身も、今やどこに住んでいても働けるという状況になっていて、実際に田舎に移住する社員もいます。今日もオフィスまでお越しいただいていますが、残念ながらほとんど社員がいない状況ですよね(笑)これでも普通に仕事ができるわけです。インターネット上に、ある意味"バーチャルオフィス”がちゃんと整備されているからこそ、もっともっと多様な人にチームに参加してもらえる、ということですね。

青野さんご自身も育児休暇を取られるなど柔軟な働き方を実現されていますよね。ここ最近の働き方の変化について、どのようにお考えですか。

 はい。子育てしながらでも、空き時間をうまく使って働くことができれば、もっと多くの人が社会に参加できますよね。私自身も、子育てしながら、家から普通に働いています。介護しながら働きたい人や、実家の近くで働きたい人もたくさんいますよね。社会背景的にも、インターネットというインフラ上で働くことがもっともっと加速していくといいなと考えています。

一人ひとりの生き方の自己実現が、サイボウズのサービスによって叶えられていく。そんな未来を創っているのですね。

 そうですね。多様な人たちがそれぞれ幸せになる。私たちの理想はそんなイメージです。

会社を経営するにあたって、経営者として大事にしている価値観や行動指針について、ぜひ教えてください。

 はい。私の座右の銘は『真剣』です。私の思う『真剣』とは「命をかける」ということです。そうしないと、私はすぐに手を抜く癖があるんです。だからこそ、とにかく真剣に取り組もう、と常に意識して経営にあたっています。

「共感」というものも非常に大事にされていると伺っています。

 そうですね。私たちが思う「いい」チームというのは、『同じ理想に共感している』ということが大前提にあると考えています。メンバーが集まっていても、同じ理想に向かえていなければ、気持ちはバラバラで、成果も出せません。成果が出たとしても、同じように喜べない。そうなると、きっと一人ひとりも楽しくないはずです。「理想への共感」が、実はチームワークにおいて一番大事なこと。これも多くの人にぜひ伝えていきたいと考えています。

共感してもらうために、青野さんご自身が意識されていることはありますか。

 共感してもらうためには、無理やり押し付けないことです。そして、共感を引き出すためには、やはり、一人ひとりと対話をしていくことが大切です。あなたはこの会社で何を実現したいですか。どんな会社にしたいですか。その言葉を集めて、みんなでハーモナイズ(調和)させていく。こういったプロセスがないと、「理想への共感」はつくれないです。

 サイボウズには「自主自律」という企業文化があります。「思うことがあったら言いなさい」というものです。あなたはここで何がやりたいですか。どういう人生を送りたいですか。そういったところまで、自己主張させています。日本人は特に、自己を主張するトレーニングを受けていないので、あえて引き出していかないと、なかなか自分の希望を伝えられる社員が育っていきません。多様な人たちにそれぞれ幸せになってもらうためには、その人自身が何を望んでいるのかを自ら発信してもらう必要があります。一人ひとり主体性を持って、自分の人生を考える。そこがとても大事だと思います。


日本橋に拠点を構えたのには何か理由があるのでしょうか。

 日本の歴史が、ここ日本橋にはあります。新しい大企業だけでなく、老舗の中小企業までが"混在している"というところが、まさに、多様性の象徴ですよね。私たちのお客様は、業種も規模もそれぞれですから、その多様性を感じられる街にオフィスを構えたいなと思い、日本橋を選びました。

人という存在を色濃く感じられる街である、ということなのですね。

 そうですね。日本のなかではとても珍しい街ですし、交通の基点でもあるというところも特徴的ですよね。古くからやっている海苔屋さんとか、オムライス屋さんとか、色々あって面白いですよ。

名だたる大企業と老舗企業が並ぶ日本橋は、まさに多様性を象徴したような街

そんな青野さんは今治出身ということですが、地方で生まれ育ったからこそ培った視点というものはありますか。

 地方で生まれ育っているからこそ、末端にまで最新の技術を届けることがいかに大変かをリアルに想像することができます。一次産業をしている人たちの想像も、二次産業をしている人たちの想像もできる。その想像力が、私にとって、ひとつのメリットだと思っています。

 地方はこれからです。新型コロナウィルスの影響で、「移住」という選択肢が顕在化しました。これはとても大きいと思います。サイボウズの社員のなかでも移住を選択する人が増えています。意外とそこに地縁がなくても、普通に移住しちゃうんですよ。

そうなんですね!実際に、自分の生き方や働き方を自ら選択した人たちを間近で見ていて、幸福度が上がっていると実感されていますか。

 それは確実に上がっていると思います!みんな楽しそうでにやっていますよ!

(『#7 サイボウズ経営者が覚悟を決めた転機』に続く)


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〜これからの社会に本当に必要な「いい会社」に投資する〜
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