2024年 barで飲みたいボトラーズラム酒10選
通常の蒸留所が発売しているオフィシャル物は熟成した色々な樽をブレンドし味を均一化しています。
其れに対してラム酒やシングルモルトでボトラーズ物と言うジャンルが有ります。よう様な種類の樽や熟成場所の違いで特徴的な味に成長します。
お気に入りに熟成した樽をピックアップしてボトリングする為リリース本数も120本〜300本程度と少ないです。
其れを世界で取り合うので、ネットで一般販売されても5分で完売なんて事もざらです。
このnoteを読んだ時点では市場からほぼ消えていると思われるので、是非専門店barで見つけて飲んでみて下さい。
何と今回はbarでの1ショット価格の目安を表記!(2023年11月現在)
主に2023年にリリースされたボトラーズラム酒に絞って紹介しています。
【ジャマイカンラム】
❶HAMPDEN
Great Houseedition2022 LMDW
まずは2023年に私が訪れたジャマイカハンプデン蒸留所から。
1753年の創業以来、食品や工業用のアルコールを生産していましたが、2010年にようやくラムとしての熟成及び商品化を始めました。
自然な酵母と長い発酵時間でエステリーでアロマティックなラムを作り出し、全てナチュラルな地元のスプリングウォーターを使用し蒸留はポットスティルのみ、もちろんナチュラルカラーの本格的なジャマイカラムです。
「グレートハウス」は蒸留所と一部海外で発売。
❷REQUIEM CHAPTER3
LONG POND 2007 15YO TROPICAL AGING
ジャマイカんラムはイギリス系ラムの中でも最もハイエステルなラムを生産する産地である。ハンプデンエステートの本拠地でもあるトレローニー教区で、1753年からラムを つくりつづけてきたジャマイカの老舗蒸留所ロングポンドの15年熟成原酒。CHAPTER1と同じ蒸溜所だが一味違った個性が楽しめる。
ジャマイカの多くの蒸留所が野生酵母を用い最低2週間以上の発酵期間を経て強酸性のウォッシュがつくりあげられる。そのウォッシュから蒸 留された原酒は、エステル濃度が高くなるに連れ、バナナ、洋梨、パイナップルというウィスキー愛好家には親しみ深い香味を生み出している。 欧州のボトラーズブランドや愛好家が最も注目するスタイルのラムだ。香り:
力強いエナメル香、エステリー、磨き上げたアンティーク家具、乾燥茶葉、トロピカルフルーツのフーセンガム。後からデメララシュガー、タイガーバーム、ディーゼルオイル。
味わい:
熟したパイナップル、長時間煮詰めた林檎や洋梨、アプリコットジャム。ダージリンのミルクティー、カカオ、塩水うに。非常に複雑、オイリーでフルボディ。
フィニッシュ:
熟したバナナと渋皮、塩チョコレート、桜餅の葉、上品且つ濃厚な甘さと心地よい塩味がバランス良く、非常に長く続く。
コメント:
ジャマイカならではの高濃度なエステルの香味。そして、複雑に絡みついた熟した果実とソルベント系果実のフレイバー。これらを力強く凝縮させたトロピカルエイジングの奥深さが感じられる1本。
Tasting comment by 北梶 剛
❸R.U.M JAPAN 15th anniversary bottle
NUMBER LABEL SERIES
BOTTLE NUMBER 3
SINGLE JAMAICAN RUM MMW
蒸留年:2010 瓶詰年:2023
・65.8% /700ml
台湾・台中と中国・上海に店舗を構える「THE WHISKYFIND」代表の
Odin Chou氏が直接コネクションに基づいたオリジナルボトリングやカスクの供給を展開。
モニマスク蒸留所のボウモアカスクでパフューミーを感じます。
【その他イギリス系】
❹ REQUIEM CHAPTER4
PORT MOURANT 1997 25YO TROPICAL AGING
最もハイエステルなラムを仕込むジャマイカの次にヘヴィーなラムを生産しているイギリス系ラムであるガイアナラムより、1955年を最後に閉鎖されたポートモラント蒸溜所の木製単式蒸留器(Double Wooden Pot Still)を用いて、ウィットブルグ(アイフルート)蒸溜所で蒸溜された長期熟成原酒となる25年熟成。
ポートモラント蒸溜所は、約300年近くも遡る、1732年に創業したと言われる世界で最も古いラム蒸溜所の1つであり、この蒸留器もその当時につくられた蒸溜器とされている。ラムの背景にある壮絶且つ過酷な歴史を見届けた蒸溜器が生み出した古き良きクラシカルなデメラララム。色気を纏った魅力的な1本。
香り:
優しいながらも濃厚なエステル香。金柑、リンゴと蜂蜜、牛革製品、メンソールの煙草。奥からミネラル、ややメタリックな印象。
味わい:
熟したグレープフルーツ、バナナ、パイナップル。パッションフルーツの種、マラスキーノチェリー、ユーカリ。後から黒蜜、黒糖飴、咳止めシロップ。バランスに優れており、オイリー且つ複雑。
フィニッシュ:
アンチョビ入りのブラックオリーブ、ビターチョコレート、タール、松脂。ややスモーキーでアールグレイ紅茶の味わいが上品に長く続く。
コメント:
ジャマイカラムと比較するとエステリーな香味はやや大人しいが、25年という時間が育んだ複雑な熟成感や、それによって生み出された紳士的な果実の香味が感じられる。
古き良きクラシカルなデメラララムであり、且つ色気を纏った魅力的な1本。
Tasting comment by 北梶 剛
❺beenleigh australia rum
2007-2022 15年 for Bar Rae Town supported by Shinanoya
ビーンリーは、ボトラーズリリースが非常にレアな蒸溜所。
ヴェリエのボトルを飲まれたラム愛好家の方にはこの興奮が伝わってくれるかと。日本では初めてのボトラーズリリースになるかと思います。
ラムらしい自由なバイブスを感じられます。
【アグリコールラム】
❻secret marthniqe rhum2017
for so_ko.onomichi
先ずは短熟のアグリコールラムからご紹介。
蒸溜所:ラ・ファボリット蒸留所
テイスティングノート
香り:ココナッツオイルや、文旦、グレープフルーツのわた、ホットケーキミックス、ホームセンターの資材置場、海の潮風。
加水でカスタード、キウイ、完熟金柑、牛乳寒天、干草、アサリなど多様に展開する。
味わい:キッシュのような卵や塩気にオイリーさ、アルザスのリースリング、はちみつ梅、プルーン、ライチにスポーツドリンク。
加水でエッグタルト、ヤシの実の繊維、ナタデココ、ローストアーモンド、ざらめ、塩味が増していく。
フィニッシュ:アサリの酒蒸し、昆布だしなど、海を連想させる旨みやピート感。
コメント:SECRET MARTINIQUEの表記ですが、ボトラーズでは出回ることの珍しい、ラ・ファボリット蒸留所のラムです。数少ない家族経営の蒸留所、少量生産で作られています。
少し閉じた印象がありますが、1滴、2滴と加水していただくと、味わいが開き要素が出てきます。
ソーコ亀山氏コメントより引用
❼Rhum J.M 2012-22 French Oak Cask 50.8%
The Whisky Hoop - Rum and Whisky, KYOTO
ナマケモノのモチーフでお馴染み。
京都のラム酒barの銘店「ラム&ウイスキー」定元さんチョイスの熟成アグリコールラムです。
定元氏が初めて訪ねたラムの蒸溜所はJMでした。2005年、灼熱のマルティニークで森の中に蒸溜所が現れた時の感動。半屋外の熟成庫に眠っていた大量の樽の存在感。
その一つを遠く離れた日本に御紹介でき、感無量です。フレンチオーク樽熟成のフルーティーで気品ある香味をお愉しみください。
テイスティングノート
香り
完熟パッションフルーツとマンゴー 熟れた巨峰 黄金糖の甘さ 使い込んだレザー 発酵茶葉
味わい
気品ある上質な中熟ボルドリ 濃く淹れたアッサムティーのビターネス 僅かにココナッツオイル
余韻
フルーツティーと植物性脂肪の余韻が長く続く
ㅤ一部のフレンチラムは酸化に対して非常にデリケートです。愉しみ方ですが、コニャックXOクラス以上の大振りのテイスティンググラスに注ぎ、はじめはスワリングせずにゆっくりと香りを取ることをお奨めします。
樽選定者 Rum and Whisky, KYOTO 定元学さんのコメントより引用
❽providence 3y LMDW&VELIER
ハイチのバルバンクール家とフランスのラメゾン&ヴェリエ社が合弁で2018年から操業中のポルトーポランス蒸留所の3年カロニ樽熟成。
テイスティングノート
エキゾチックでリッチ、フレッシュなさとうきびジュース、レモン、レーズン、焼いたパイナップルにジンジャーのフレーバー。
❾VIEUX SAJOUS 2017 5年 LMDW&VELIER
アグリコール製法ですが正式にはラム酒といいません。
又熟成させた物はクレランとも呼ばないのでシュガーケーンスピリッツとしておきましょう。
ハイチのクレランサジューの2017年蒸留をヴェリエ社が5年カロニ樽熟成。
エキゾチックかつフローラルやチョコレートのフレーバー。
【アグリコールブラン】
➓COMPAGNIE DES INDES great white small batch vietnam 700ml 50%
最後はアジアのアグリコールブラン。
2024年のBordeaux rhum fesもテーマがアジアと注目が高まっています。
蒸留所:クアンナム
3月2021年 - 9月2022年
蒸留: 銅製コラムスティル
ベース: サトウキビジュース
テイスティングノート
香り: とても表現力豊かで、トリュフ、フムス、フレッシュなサトウキビ、白檀、お香の香りが広がる
味: 最初はヨウ素感があり困惑するが、興味深い ウィリアムズ洋ナシ、わずかにウッディな側面や白茶、プラリネ
フィニッシュ: ウッディでバランスが良い
グレート ホワイトは、コンパニーデザンドラムの優れたホワイトラムのラインです。最も香り豊かで風味豊かなホワイトラムを世界中から厳選しました。サトウキビジュースや糖蜜、ポットスチルやコラムスチルなど、これらのラム酒はスタイルや産地が異なりますが、同じ活気に満ちた特徴が素晴らしいものです。
宜しければサポートお願いします。デジタル版「ラム酒百科」、「ラム酒が飲めるバーマップ」作成等「ラム酒友の会」として、ラム酒を広げる活動に使わせて頂きます。