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経済損失3.4兆円!?今こそ考えるべき女性の健康課題と取り組み施策

近年、健康経営の重要性がますます高まっています。
従業員の健康状態の向上は、企業の生産性向上や業績改善に繋がるだけでなく、従業員のウェルビーイングにも貢献します。
本記事では、令和6年2月に経済産業省から出されている「女性特有の健康課題による経済損失の試算と 健康経営の必要性について」を参考に
女性特有の健康課題について解説し、具体的な取り組み事例を紹介していきます。

参照元/女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について 令和6年2月 経済産業省 ヘルスケア産業課https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/jyosei_keizaisonshitsu.pdf

1.女性特有の健康課題とは?

女性特有の健康課題は多岐にわたりますが、特に以下が挙げられます。

  • 月経に伴う身体的、心理的不良(月経痛・PMS等の月経随伴症)

  • 妊娠・出産による身体的、心理的不調(マタニティブルーや産後うつも含む)

  • 更年期症状

  • 女性特有の疾病(乳がん・子宮がん・卵巣がん)

2.女性特有の健康課題がもたらす問題点

近年、女性の社会進出が著しく、労働力人口における女性の割合も4割以上と増加しており、これらの健康課題は、下記のように企業にとって大きな損失となります。

  • 労働参加率の低下

  • 生産性の低下

  • 離職率の増加

実際、女性特有の健康課題による社会全体の経済損失は、年間約3.4兆円と推計されています。

女性特有の健康課題による経済損失の試算と 健康経営の必要性について
令和6年2月 経済産業省 ヘルスケア産業課にて

・実際の現場での声は・・・


先述の健康課題がある中で、女性従業員側からは「約7割の女性が健康や体に関する 十分な支援がない」と感じている。 また、女性が望むサポートは「上司・周囲の理解が必要」と感じている。
一方で企業側からは「約3割は何をすればいいか分からない 」また、約2割は「当事者である従業員と話ができない」と従業員と企業の間にミスマッチが生じている状況です。

女性特有の健康課題による経済損失の試算と 健康経営の必要性について
令和6年2月 経済産業省 ヘルスケア産業課にて

3.女性特有の健康課題に取り組むメリット

健康経営において、女性特有の健康課題に取り組むことは、企業にとって大きなメリットをもたらします。

1.従業員満足度・エンゲージメントの向上
女性の健康課題に配慮することで、従業員は 「この会社は自分の健康を気遣ってくれている」 と感じ、仕事への意欲や満足度が向上します。

2.生産性の向上
体調不良による休職や離職の減少は、生産性の向上に繋がります。

3.人材育成・確保
健康な従業員は高いパフォーマンスを発揮し、長く活躍することができます。また、女性の健康課題に配慮する企業は、優秀な人材の獲得にも繋がります。

4.管理職登用などのキャリアアップ
人材の定着に基づくキャリアアップや管理職登用につながることも期待されます。少子高齢化により人材不足が深まる中、増々期待される女性活躍の推進にも繋がります。
     
過去のデータから、「健康に自信がある女性ほど長く働き続ける自信がある」、「健康に自信がある女性ほど離職検討の経験が少ない」といった調査結果もあり、健康を支援することによって、女性の離職防止、仕事に対する自信やモチベーションを高める効果も期待されます。

「働く女性の健康と仕事の実態調査2019」
日経BP総研メディカル・ヘルスラボ/一般社団法人ラブテリにて

4.具体的な取り組み対策

女性特有の健康課題に取り組む企業は増えています。以下、具体的な取り組み対策を紹介します。

  • 生理休暇制度の拡充

  • 更年期障害に関する研修や相談窓口の設置

  • 育休・育児支援制度の充実

  • 女性特有の疾病の検診・予防

  • リテラシー向上に向けた教育

5.具体的な事例のご紹介

健康経営銘柄・健康経営優良法人2024(ホワイト500)に認定されており、
女性特有の健康維持・増進に向けた取り組みの強化を策定している「丸紅株式会社」をご紹介します。

  • フェムテックプログラム(月経・更年期症状サポート)をトライアル導入

  • 腫瘍マーカー検査の導入

  • 子宮がん・乳がん検査の費用補助拡大

  • 女性の健康維持・増進に対するリテラシー向上セミナーの実施

  • 女性専用の健康相談窓口の設置

  • 「女性の健康維持・増進」に関するコラムを全社員に発信

女性が入社から退職までいきいきと働ける環境実現のために女性のライフステージに応じたセミナーの実施や、月経・更年期の不調に対するオンライン診療・相談・服薬指導・処方等のご提供。
プログラム参加者の業務パフォーマンス発揮度は、トライアル前後比で17%改善。

専門の医師による女性のカラダに関するセミナーを実施。
女性だけでなく男性へのアプローチも実施しており、
女性特有の健康維持・増進に対する全社員の知識を向上させるために全社通知を利用して広く周知しています。

参照元/丸紅グループ健康宣言https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/24/

6.まとめ

女性の健康課題は、健康経営において重要な課題です。
これらの課題に取り組むことで、企業は従業員の健康状態の向上、生産性向上、人材育成・確保などのメリットを得ることができます。

まずは、自社の女性従業員の健康課題がどういったものがあるのか。
そして、求める施策・制度がどういったものがあるのか。
アンケート等を通して把握しましょう。

そこから具体的な施策や制度設計を進めていくことが大事です。
制度を設けるだけでなく、利用状況の把握・利用促進、使いやすい職場の雰囲気づくり、施策の評価・投資対効果の把握ができるよう、検証を行えるような施策と検証ポイントを設計しておくことで、施策の振返り、効果的な取組みだったのかを確認しましょう。

是非、自社の従業員にあった健康施策を展開して、女性がいきいきと働ける環境を作りましょう。

FiNCでは、パフォーマンス低下の要因として女性特有の健康課題がどの程度あるのか、ストレスチェック内包のサーベイで数値化することが可能です。
オンラインでの低用量ピル処方が受けられるサービスをご用意した健康アプリの提供も可能です。

健康経営における課題の特定、施策展開等のご支援が可能ですので、ご興味があればお気軽にご連絡ください。


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