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スタートアップ新卒社員を支えた、先輩からの3つの言葉。「考えるとは、予測すること」「戦略とは、順番だ」「愛だよ、大事なのは」

自己紹介:新卒5年目社員です

株式会社FiNC Technologies (以下、「FiNC」) のクラウドビジネス事業本部で、主にマーケティングをしている田邊です。当社FiNCは「Design your wellness」というビジョンを掲げ、ヘルスケア×テクノロジーで複数の事業を運営している会社です。私は新卒で当社に入社し、この4月で入社5年目を迎えました。

入社以来、子会社への配属から始まり、秘書・広報・事業開発・マーケティングなど、様々な仕事に携わりました。
ずいぶん前のことにも思いますが、今日はその中から3つ、自分の仕事を変えてくれたり、支えになった言葉とともに、印象的だった学びを振り返ってみたいと思います。

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いきなりウエットな言葉なのですが、まずご紹介するのがこちら。

①「愛だよ、大事なのは」子会社でチームビルディング

私は学生インターン時代から新卒入社直後まで、FiNC Fitという子会社で働きました。FiNC Fitは、有楽町店や銀座店をはじめとするパーソナルトレーニングジム・エステを運営しています(現在は閉店)。

配属後は、CRM(Customer Relationship Management)チームの立ち上げに関わりました。お客様対応を専門とする部隊です。
お客様からのレッスンの予約や変更、会員申込や解約、その他ご相談事に対して、電話やLINE、メールなどで対応する仕事です。トレーナーやエステティシャンといったプロフェッショナルなスタッフが所属する店舗と別に、本社側を拠点にして活動をします。

0からスタッフと関係構築する不安な日々

CRMとして重要なことは、お客様から安心と信頼を得るため、丁寧・的確・迅速な応対をすることです。そのためには、各店舗のスタッフとお客様の最新情報を緊密に共有しあうことが不可欠です。

フィットネス業界やサービス業界からの転職者が多いFiNC Fitにおいて、自分は学生上がりで業界未経験者でした。現場感覚を理解するために、スタッフから上がってくる情報にひたすら耳を傾けました。常に注意を向けて、スタッフの役に立てそうなことを模索しました。例えば、現場で対応しづらい事項は率先して拾うよう心がけました。「お客様への確認事を対応する」とか「トラブルが起きた時に状況整理する」といったことは、多忙な店舗のスタッフの負担を軽減するべくCRMで対応するよう努めていました。

先輩からの思いがけない言葉

そうは言っても自分の業務で精一杯で、正直に言ってこなしきれていないこともたくさんありました。ただ、がむしゃらに取り組むうち、先輩にかけてもらった言葉が自分の視座をあげてくれました。
「君には愛があるから、大丈夫。リーダーに大事なのは愛だよ。」

リーダー?初めは思いがけないフレーズに驚きました。力不足の自分がそうした言葉をかけてもらえることに不思議な感覚もありましたが、先輩からこの言葉をいただけたのは、自分のチームにおける振る舞いを見直す拠り所になりました。プレイヤーの役割だけでなく、チームを作っていくことにも頑張って、と投げかけられたように感じました。

「愛」あるまとめ役を目指したい

それからは、プレイヤーという役目だけでなく、マネジメントやチームビルディングという点でも貢献したいと一層強く思って活動をしました。実際の業務では、オペレーションの標準化のディレクションなどのまとめ役を担うことが増えました。時にはスタッフに追加の負荷を強いることもありますが、信頼関係に基づききちんと話し合って進めることができたのではないかと思います。

新入メンバーに対しては、FiNC Fitを通した個人の成長を意識してもらったり、会社の成長を自分ごととして捉えてもらえるよう努めました。ノウハウを継承するだけでなく、チーム内で互いを尊重する雰囲気を作れるよう気をつけました。優秀なメンバーに囲まれ、自分が1日中別の業務をしていても、新入メンバーだけで完璧にお客様対応をしてもらえるようになりました。

また、誰かが成果をあげたときはお祭りのようにSlack(社内コミニュケーションツール)で盛り上げて良い雰囲気を作り、困ったことがあった時には話し合いがしやすいように、すぐに作戦会議を開きました。定期的に、店舗合同での懇親会やお花見などを企画して、全店舗のメンバーがお互いに交流したり、新メンバーが馴染みやすくなるような催しも企画しました。こうした一見泥臭い活動にもコミットしようと思えたのは、先輩からの言葉による影響だったと思います。

先輩からのご支援のもと、尊敬するプロフェッショナルなメンバーと、一丸になれるチーム作りの経験ができたのは、貴重な経験になりました。

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②「考えるとは、予測すること」秘書時代、先読みの力

新卒入社して就いた秘書業務。ミッションは、経営陣が最大のパフォーマンスを発揮できるようお膳立てすることでした。
FiNCのパワフルな役員たちは、事業や組織の成長の原動力でした。彼らが最大のパフォーマンスを出せるように、クリティカルな業務に集中してもらうためのサポートに徹しました。

空まわりの日々

秘書の業務は、社内外の会議 / 会食 / 国内外の出張 等の設定や案内、役員の会議への同行やタスクの巻き取り、その他様々なサポートでした。

秘書の先輩が職を離れることになってしまったので、急いでそのいろはを引き継ぎ、秘書検定の資格もとりましたが、そうやすやすと教科書通りのシーンなんて訪れませんでした。慣れない業務で迷惑もたくさんかけ、準備不足を指摘されることもありました。自分では一生懸命なつもりでしたが、段取りが悪くから回りしていたのです。

役員から問いかけの言葉

そんな自分の姿を見て、ある役員が話しかけてくれました。「普段考えて仕事をしているかい?」。そして「考えるとは、どういうことだと思う?」という問いかけでした。当たり前のようなことで、しかし言葉にすると何なのだろうか。
言葉に詰まる自分に対して、彼はこう言いました。「考えるとは、予測することだよ」と。なるほど、考えて動くというのは、要は先のことを予想して動くということかと、私はこの言葉にピンと来ました。

先読み先回りを徹底しよう

ある日を境に、私は他の秘書メンバーとも一緒に、以前より朝早めに出社するようにしました。会社に人のいない時間に、余裕のあるタイミングで、当日〜2週間先の予定1つひとつで何が発生しそうかを細やかに予想して、対応策とともにシミュレーションをするのです。

例えば、当日のことであれば、朝イチの来客者を待たせることになりそうだから、場をつなげるよう会社案内の準備をしておこう。役員が昼ごはんを食べに出る時間がないから、食べながら社内ミーティングに参加してもうためにお弁当を手配しておこう。役員が夕方に会社を出ると戻ってこれないから、出発前に明日必要な持ち物は渡しておこう。明日の催しはドレスコードがあるから、何を用意するか確認しておこう、など。様々な予測を立てて準備します。
1日の予定を頭に入れておき、先手を打って対応を準備するという立ち回りを習慣化することで、ようやく毎日の業務に安定感が出てきました。

思えば、障害物競走において、役員のコースにある障害物を事前に全て撤去するような仕事でした。繰り返すうちに準備の精度も高まりました。こうした予測のもと準備にベストを尽くし、懇親会の企画運営や出張の手配などの大イベントがつつがなく終わった時は、ホッとしました。

基礎的なことですが、仕事のクオリティを高めるには、考えること、つまりは予測が十分できているかのチェックから始めてみるといいかもしれません。

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③「戦略とは、順番だ」法人向けマーケティング戦略

企業の健康経営を支援する法人向け事業には、1人目のマーケティング担当として加入しました。
私の一番のミッションは、限られたリソースでリード数や商談数を最大化させることです。新たなチーム配属の経験も数回目。マーケティング業務は未経験でしたが、様々な人の意見を聞きながら何をすべきかを考えていきました。

何を実施して成果を挙げたか

まずは、ベンチマーク企業やビジネスモデルの近い事業についてリサーチし、自社に照らし合わせて、自社の抱える商談獲得におけるボトルネックを特定していきます。
そこで、見づらいサービス案内ページにリード獲得の一番の問題があると仮説を立て、ユーザーに伝わりやすいメッセージとデザインのページに改修をしました。結果としてページ内での離脱率が目標水準にまで低下し、非効率な集客体制が改善されました。まずこの段階で、オンライン経由のリード数や商談機会の獲得数は2倍以上に増えました。

次に露出の少なさを改善するため、最も効率的に成果を出せるであろうリスティング広告での露出を始めました。数ヶ月の運用・改善を通して、投資対効果に見合う水準に持っていくことができました。他にも、限られた予算で大きな成果を上げるため、様々な媒体で試験的に露出を増やしてみたり、成果報酬型の広告を取り入れるなど、商談機会の増加にトライしました。

取り組みの裏にあった言葉

この時に意識していたのは、ある先輩にもらった「戦略とは、順番だ」という言葉です。その方からは、前職で売上数千億円規模の店舗運営における集客企画を成功させた裏で、どのような順番でステップを踏んで取り組んでいたのかの経験談を教えてもらいました。事業規模や業態こそ違いましたが、考え方は自分たちにも当てはめられると考えました。

この言葉を意識するまでは、効果の出そうな施策や流行りの施策にやみくもに取り組みがちでしたが、それが最良の判断であるかを確かめずに進めてしまっていました。
そうではなく、3C分析に代表されるフレームワークを活用して現状分析をしつつ、きちんと課題認識・目標設定をし、打ち手と判断材料を整理して優先順位を特定し、実行と改善を繰り替えすことに努めました。このようにして、現有戦力で最大の効果を上げられるストーリーを考えていきました。

未経験というハンデはありましたが、社内外の様々な方に支援をいただきながら、最も効率よくインパクトが出せる順番で、業務に取り組んでいけたのではないかと思います。課題や目標を明確化して、適切な選択肢を適切な順番で実施していくという考え方は、他の分野でも応用できるものだと感じています。

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最後に

FiNCは、創業からの年数の浅さに対して、大手各社で実績を残した経験豊かなベテラン社員が、密度高く在籍している会社だと感じます。この記事の執筆に際して振り返ってみて、経験豊かな先輩方から、適切なタイミングで、自分の成長に繋がる言葉を贈ってもらえる環境だったと感謝しています。

短い期間で様々な事業・業務に携わらせてもらい、そのたびに思考回路や使う筋肉が切り替わり、多様な仕事から学ぶ経験ができたのも、私にとってはありがたいことでした。ここに書ききれなかったこともたくさんあるので、詳細に興味をお持ちいただけた方は、ぜひご連絡ください。

追記:新しい部署で働いています

この記事の執筆を最後に、私はまた新しい部署に異動することになりました。まだ立ち上がったばかりの部署ですが、デジタルヘルスケア領域で様々な仕込みをして、大きなビジョンを追いかけているチームです。引き続き頑張ります。


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