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クレジット事業のまだ見ぬ可能性を切り拓く。企業法務のスペシャリストが踏み出す新領域

こんにちは。Finatextホールディングス 広報担当、ミヤカワです。

Finatextグループのメンバーを紹介していくインタビュー。今回は、さまざまな企業法務の経験を活かして新規事業の開発に取り組む、スマートプラスクレジット代表の高平大輔さんにお話をうかがいました!

高平 大輔 - 株式会社スマートプラスクレジット 代表取締役
1982年、北海道札幌市生まれ。弁護士資格を取得後、企業法務としてカードローン会社、不動産会社、EC会社、暗号資産会社など、さまざまな企業を渡り歩き、Finatextグループにジョイン。2022年4月1日に設立された株式会社スマートプラスクレジットの代表として、中小企業向けファイナンスサービス「BizGrowth(ビズグロース)」の開発を進めている。ダイエット目的で始めた筋トレにはまり、現在は筋力アップが目標。座右の銘は「人生は死ぬまでの暇つぶし」。

「企業内弁護士 × 金融」で築いてきたキャリア

– 本日はよろしくお願いします!高平さんは、弁護士資格を取得された後、企業内弁護士としてキャリアを歩んできたと聞いております。

そうですね。弁護士というと、何か法律関係で困ったときに頼むような存在をイメージされることが多いと思いますが、企業内弁護士は特定の企業に勤め、その企業における法務を担う存在です。最近は昔に比べて企業内弁護士も増えてきていますが、私が就職したときは全体の1割ほどでしたね。

– そんなに少なかったんですね。どうして企業内弁護士になろうと思われたんですか?

企業内弁護士の仕事は、予防法務や戦略法務と呼ばれ、簡単に言うと、将来に問題が起こらないように手を打とうというものです。依頼されたトラブルを解決するのは、マイナス状態になっているものをゼロに戻す仕事。それよりも、プラスの価値を生みだす仕事がしたかったのです。企業は利益を上げるために活動しており、その活動を法律的に問題のないようにする法務の仕事であれば、価値を生み出す役割を担えると考えました。

– これまでに経験された企業は金融系が多いですが、それにも理由が?

就職活動中に銀行の話を聞いたことがありまして、「銀行が提供している商品は、契約そのものだ」というのが印象に残ったんです。形あるものではなく、提供しているもの自体が契約で成り立っているんだと。確かにその通りだなと思ったと同時に、それならば必然的に法務の比重も大きいですし、活躍の場が広いのではと感じました。

– なるほど。金融業界の法務といっても、中身は会社ごとに異なるものなのでしょうか。

かなり異なりましたね。一社目は大手信販会社だったのですが、入社早々、会社の訴訟代理人として年間120件ほどの裁判をやることになりました。

– 120件!あまり相場は分かりませんが、それが相当な数であることは分かります。

弁護士になりたてのときだったので、それなりに大変でした。ですが、振り返ってみれば良い経験ができたなと思います。本来、企業内弁護士で訴訟を担当することは珍しいので、「いざ裁判になったらこういうことが起こるのか」という想定をしながら予防法務に取り組めるようになったことは自信につながりました。

– その後はどんな経験を積んでこられたのですか?

信販会社の次は大手のクレジットカード会社で、いわゆる企業法務に加えて、新サービスをどのようなスキームにするかという法律構成の検討や、顧客向けの利用規約作成などを経験しました。当時、ちょうどフィンテックが盛り上がり始めた時期で、せっかくならもっと新規事業に携わってみたいと、貸金業を始めようとしていた不動産のスタートアップに入社しました。ただ、入社後に貸金業立ち上げの話が頓挫してしまい、今度はECのプラットフォームを運営するスタートアップへ。入社半年ほど経ったときに、暗号資産の交換業者である別のスタートアップからスカウトを受け、新規性の高い分野に惹かれて再度転職。しかし、蓋を開けてみると業績が伸び悩んでいて、1年半ほどで出ることになりました。

– 波乱万丈な感じがしますが(笑)、大手もスタートアップも両方経験されたんですね。

そうですね。信販会社やクレジットカード会社では、割賦販売法や貸金業法などの業法(業種ごとに許認可などの事業要件を定める法律)や個人情報保護法などに深く関わり、クレジット事業を展開するために必要な知識・知見が得られました。また、スタートアップでは、増資・減資やストックオプションの発行など、成長フェーズの企業ならではの業務を経験できています。両方に身を置いたことで、自分の経験に幅が出たと思います。

一緒に仕事をしてみたいと心から思えた経営陣

– 続いて、Finatextグループにジョインした経緯が知りたいです。どんなきっかけだったんですか?

きっかけは、以前にいた会社の元同僚の紹介で、林さん(CEO)と伊藤さん(CFO)とお会いしたことです。前職時代、私は自分で法律事務所も持っていたのですが、お二人の事業構想における新しいスキーム実現手段として、協業できないかと相談がありました。結局、その話自体は白紙になってしまったのですが、それからしばらくして林さんからご連絡があり、クレジット事業の立ち上げにあたってお誘いいただいたんです。

– そんなつながりがあったんですね。二人との接点は、高平さんの中でも印象に残っていたということでしょうか。

はい。初めてお話ししたときから、林さんや伊藤さんの人柄や決断スピードの早さはかなり印象的でした。法務の仕事をしていると、「法律でこうなっているから難しいんです」と説明しても、「何故なのか」と反発されてしまうことが結構あります。お二人はとにかくロジカルで、難しい説明もすぐに理解してくださいましたし、何よりその場でどんどん決めていくんです。一旦持ち帰って検討する、みたいなことがない。そこがとても魅力的で、この人たちと一緒に仕事をしてみたいと思っていたんです。

– 金融という業界は意思決定に慎重なことが多いでしょうし、対照的に感じられたのかもしれませんね。

それはありますね。特に大企業に在籍していたときなんかは、数ヶ月かけて色々な人の利害関係を調整した挙句、社内決裁が下りませんでした、なんてことがザラにありました。それも、法律的には問題ないけれど別のことに配慮する必要があるからやめよう、といった理由です。何ヶ月もかけ、わざわざ駄目だということを確認していたのかと思うと、もどかしさを感じてしまう場面はありましたね。

世の中に新しい価値を生み出す仕事

– 続いて入社後の話をお伺いします。スマートプラスクレジットは今年(2022年)の4月1日に設立されたばかりですが、現在はどんなことをされているのですか?

Finatextグループの既存事業である証券や保険領域に次ぐ新領域として、クレジット事業(貸金業)を運営する組織として生まれたのがスマートプラスクレジットです。将来的な構想としては、事業者と金融機関をつなぎ、オンライン上でレンディング(融資)や割賦販売(分割払い)をスムーズに実現できるようなプラットフォームを創ろうと考えています。7月に貸金業者として登録が終わりまして、その構想に向けた一歩目として、この12月から「BizGrowth(ビズグロース)」という中小企業向けファイナンスサービスのβ版を提供開始しました。

– ゼロイチでサービスづくりをされている段階ですね。組織はどんな体制なのでしょうか。

かなり少人数でやっています。メインで関わっているのは4~5名で、手伝ってくれている人を含めても10名いかないぐらい。内訳も、ビズデブ(事業企画)にエンジニア、金融系の専門職(オペレーション設計)など、さまざまです。サービスの企画やPoCにおける顧客調査などは、CFOの伊藤さんが進めてくださっていますね。

– なるほど。その中で、高平さんご自身はどのような形で関わっているんですか?

貸金業を行う上で必要な法務やコンプライアンスの体制整備、社内規程の作成、サービスの法的なスキームの整理、顧客向け規約や法律上、顧客に交付しなければならない書面の作成などが中心です。そのほか、Finatextグループ全体の法務・コンプライアンス業務として、契約書のレビューや取締役会の議案チェック、新サービスのスキーム確認などもやっています。

– 代表もやりつつ、多岐にわたる業務をされていらっしゃいますね。

貸金業者に登録する人的要件として、私が役員以上に入る必要があるのですが、本当は代表よりも管理部門の担当役員などのほうが良いと思っています。法務やコンプライアンスを管掌する人間が代表の立場にいると、ガバナンスが効きづらくなってしまうので。事業推進を担える方に代表になってもらうことも視野に入れていまして、人材は絶賛募集中です。

– 構想の実現に向けて動き出したところですが、将来的にはどのような価値を生み出していきたいですか?

成長の可能性を秘めているものの、まだ実績が乏しいために一般的な金融機関ではお金を借りづらかったり、与信枠が小さくて事業拡大のアクセルが踏めなかったりする事業者は少なくありません。たとえば、ECサイトを持っていてそれなりに取引が発生している個人事業主や、SaaSのプロダクトで一定の顧客基盤を抱えているスタートアップなど。そうした事業者の成長を後押しするために、Web上で簡単に、しかも思い立ったらすぐに資金が融資されるようなサービスを目指したいと思っています。

さらにその先には、たとえばECサイト事業者が、決済の選択肢として分割払いの仕組みを簡単に導入できるようにしていきたいです。仕組みを入れるだけであれば、既存の信販会社のサービスでも可能ですし、実際に導入しているEC事業者も多くいます。ですが、利用者目線で見ると、分割払いをするためにまったく見た目の異なる別サイトに飛び、慣れない複雑な手続きをしなければいけなかったりする。もっとシームレスに分割払いの申し込みができるような仕組みを実現することで、サービスの世界観が壊れることなく一貫した購買体験が提供されるようになればよいなと考えています。

正確性とスピードを両立する意思決定を目指して

– 先ほど林さんや伊藤さんの仕事ぶりが話に出ていましたが、実際に一緒に働いてみてどうですか?入社前と入社後でギャップはありましたか。

ないですね。社外の人間として接していたときも、同じ会社で働いて一緒に仕事をするようになった今も、印象は全く変わりません。私に対してだけでなく、社内の他のメンバーとやり取りされている場面を見ても、本当に裏表がないんですよね。そこも含めて魅力的ですね。

– Finatextでの仕事を通して、高平さんが得た刺激や成長の実感などはありますか?

やはり、スピーディーで正確な意思決定を行う経験を積んだことでしょうか。立場上、決断や判断を任せられることが多いのですが、林さんや伊藤さんの意思決定スピードを見るにつけ、きっと期待されているのはあのレベルなんだろうなという刺激を日々感じています(笑)。

一方で、仕事の性質上、間違いは許されません。私が「これは法律上、問題ない」と言ってしまったら、本当は問題があったとしても、おそらくそのままプロジェクトが進んでしまう。間違えてはいけないけど判断のスピードは落とせない、という場面を短期間でいくつも経験でき、確実な成長を実感しています。

– ありがとうございます。話は変わりますが、現在は主にリモートで働いていらっしゃるんですか?

子どもがまだ小学校1年生と幼稚園の年少で、別々の時間に送り迎えをしたり、家で面倒を見たりする必要があるので、在宅で働いていることが多いです。あとは仕事柄、法律書を頻繁に参照・調査するため、家が分厚い本だらけになっていまして(笑)。会社にそれらすべてを持っていくこともできないので、在宅のほうが助かるというのもありますね。

普段のコミュニケーションは、SlackのハドルミーティングやGoogle Meetが中心です。オンラインであっても、出社して直接話しながら仕事を進めるのとほとんど変わらないレベルでコミュニケーションできているので、ほとんど不自由はありません。

– スタートアップの代表が在宅勤務中心というのは、珍しいですよね。働きやすさが伝わってきます。普段、お仕事以外だと何をされていますか?

筋トレですかね。一昨年(2020年)にダイエット目的で始めたのですが、半年くらいで15キロ痩せることに成功しました。今は筋力アップが目標になりまして、週3ペースでジム通いしては、上半身→下半身→上半身と交互に鍛えています。ちなみに子どもには、夜にジムに行くのが本当の仕事だと言っています(笑)。

– 結構ガチな感じでやっていらっしゃるんですね。筋トレを始めて、何か変化はありましたか?

食事にも気を配るようになったせいか、風邪を引くことがほとんどなくなりましたね。あとは、長時間のデスクワークで悩まされていた腰痛とも無縁になりました。ジムに通い始めるまでは人生で筋トレなんてしたことなかったんですが、当面の目標として自分の体重くらいのベンチプレスを上げられるようになりたいと思って頑張っています。

– やっぱり健康が資本ですからね。高平さんの筋肉量にも注目しようと思います(笑)。改めて本日は色々なお話、ありがとうございました。

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