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経営者の節税!3種の神器


はじめに

節税額1万円を20年間、年利5%複利で運用するといくらになると思いますか?
答えは26,530円です。小さな節税額でも「長期+複利」の力で大きく増やすことができ、年利5%は適切な分散投資をすれば現実的な数字です。
今回の記事では税理士である私自身が実践している基本の節税3つを紹介します。
広く知られている方法ですがフル活用している方は思いのほか少ない印象です。投資にはリスクが付きものですが、投資をしないことによるリスクもある今の世の中です。
どうせ投資をするなら節税しながら。ご自身の投資スタイルとマッチするのであれば検討してみてください。

節税とは?

まずは節税の定義を明確にしてから話を進めます。
この記事内での節税の定義は「税の仕組みを活用して、お金を増やすこと」です。
当たり前に思われるかもしれませんが、意外とこの定義から外れた節税策を実行している方がいます。
納税額を減らすことが目的となり、結果手元に残るお金まで減らしてしまうケースです。
最終的にお金が増えるかどうかを良く考えてから実行しましょう。

3種の神器

NISA

NISA口座内での運用益と配当金が非課税となる制度です。
通常の証券口座で運用した場合には、運用益及び配当金に対して20.315%(申告分離課税)の税金が課されます。
仮に100万円の利益が出れば納税額の差は203,150円です。
ただし、NISA口座で損失が出た場合には、その損失が切り捨てられてしまう(損益通算ができない)点は注意が必要です。
NISAは資金が必要となればいつでも証券を売却して現金化できるので経営者にとっては安心です。

iDeCo

老後の生活資金を形成するためにつくられた年金制度です。毎月掛金を拠出・運用し60歳以降に年金または一時金として受け取ります。
掛金は中小企業経営者の場合、一般的に月額5,000円から23,000円の範囲内です。
掛金が全額所得控除となり、所得税と住民税が軽減されます。
これがすごいところで、例えば税率33%(所得税23%・住民税10%)の方が、iDeCoに年間276,000円拠出すると、納税額が91,080円少なくなります。
184,920円(276,000円-91,080円)の実質負担で276,000円分の投資ができるというとてもお得な制度です。
ただし、投資であるからには元本割れのリスクがあることと、原則60歳までは現金化できないという点には注意が必要です。
受給時に工夫しないと課税されるので、出口戦略も必要です。

小規模企業共済

中小企業経営者等が、廃業や退職後の生活資金を確保するために積み立てるものです。
大きな運用益は期待できませんが、受給のタイミングを勇退時以降にすれば元本割れしません。
掛金は月額1,000円から7万円の範囲で設定できます。
掛金が全額所得控除となり、所得税と住民税が軽減されます。
共済金などの受取り時には、退職金、年金、一時所得として扱われますので、一般的には低い税率に抑えられます。
 また、もしもの時に中途解約(元本割れあり)や資金借入れができる点は、中小企業経営者にとって安心です。

おわりに

私はサラリーマン時代には自分自身の節税に全く興味がなかったです。
手続きが面倒くさい、仕事が忙しい、今の生活が苦しいわけじゃないからまぁいいか、という感じで。税金は給与から天引きされているのでいくら納めているのか意識していなかったということもあります。
しかし、独立開業すると確定申告の時期に自分が納める税金をマジマジと見ることとなり、ようやく自分の節税を考えるようになりました。現在は上記3つの節税でコツコツと資産形成をしています。
節税・投資とうまく付き合える人と何もしない人では、今日明日の生活には影響ありませんが、長期的には大きな差となって現れます。
今日が人生で一番若い日です。ご自身のリスク許容度と相談しながら地道に資産を育てましょう!ついでに節税も。

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