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【経済的自立へ向けて】高配当企業の株価データ分析 その6:標準偏差を具体的にみてみよう。

その1を見てない人は、まずその1を見てください。

高配当企業の標準偏差の表

 本日は高配当企業の株価の標準偏差(=たよーせい)を具体的にみていきます。

高配当企業の株価の平均と標準偏差 ※月初の月次の株価で計算

 上記の表は、各業種を代表する高配当企業の2016年7月から2022年6月までの株価の平均と標準偏差を示したものです。並び順は2022年8月22日時点の配当利回りの高い順になっています。

 この表をみて、何か言えることはあるでしょうか?どなたか気づいたことがあれば、お願いいたします。

 と言っても、「こんな表をだらだら見せられても困るよ」という声が聞こえてきます。実際大学の授業でも、表を見せて意見を募るとほとんどでてこないというのが現実です。寂しいもんですね、、、

高配当企業の標準偏差のグラフ

 それでは以下のグラフから、何か言えることはあるでしょうか? これは上記の表をグラフにしたものになります。

高配当企業の2016年7月から2022年6月の株価の平均と標準偏差

 これはさすがに幾つか意見が出そうですね。ちょっと考えていただけますと大変うれしいです。

 ・・・

 いかがでしょうか? 

 まず出てきそうなのが、「株価の平均が大きい企業は、標準偏差も大きい」という主張です。それは、いいところに気がつきましたね。確かにそうなってます。直線で近似すると傾きが約0.2となり、このケースでは標準偏差が平均の5分の1程度という全体の傾向になっています。

 ただその中に異端児が2名います。それはタマホームMS&AD。タマホームは平均のわりに標準偏差がとても高くなっています。MS&ADはその反対です。

 純粋にこの数字だけをみて判断するとして、タマホームとMS&ADではどちらの株を買った方が安全でしょうか?
 
 これはなんとなく分かると思うのですが、MS&ADの方が変動が小さくて安全そうですよね。

東大入試並みの難問

 それでは次に東大入試並みの難問です。MS&ADと左下にある日本建物では、どちらの株を買った方が安全でしょうか? これが一瞬で分かった人は相当の切れ者ですね。刀に例えるとエクスカリバー並みです。

 これはちょっと難しいので、この2社の株価の推移のグラフを実際に見てみましょう。

MS&ADの株価推移 ※月初の株価の月次の推移
日本建物の株価推移 ※月初の株価の月次の推移

 どうでしょうか? これを見ると、MS&ADの方が安全そうに思えます。ただ、標準偏差の数字だけをみると、MS&AD=338円、日本建物=86円と、MS&ADの方が4倍近く大きく変動するという解釈になってしまいます。

 「標準偏差で変動みて、大丈夫なの?」

 という疑問を持たれた方がここで沢山でてきたのではないかと推察します。この質問に対する回答は、「大丈夫か、大丈夫でないかで言うと、大丈夫ではない」になります。

 「えっ、じゃあどうしたらいいの?」

 それを次回考えましょう。皆さんも次回までに考えてみてくださいね。
 See you next time! 

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