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『永遠の0』/映画感想文

1. あらすじ

三浦春馬が祖父が特攻隊員だったことを知り、生存者に話を聞いて調査する。特攻隊員は岡田准一、新井浩文、染谷翔太など。
なぜ特攻したのか、そのときの思いとは。

監督は山崎貴、原作は百田尚樹で『海賊と呼ばれた男』のコンビ。

2. 点数

76点

監督や原作者の癖が強いからそんなに期待していなかったが、いい意味で予想を裏切ってくれた。政治的思想の色合いをあえて薄めていて、変なノイズになっていない。CGのクオリティも邦画では最高レベルじゃないか。

3. 感想

岡田君の顔面力

演技力ではなくあえて顔に注目してみる。
岡田君の顔はきれいだ、そして眼力が強い。味は濃いけれど、ただ濃いだけでなくて美しさもあるから胃もたれせずに画面が映える。
だからなのかわからないが、昭和が似合う

本作では神業レベルの飛行技術を持つ飛行兵の役。衣装は当然軍服もしくは学ラン。昭和レトロのど真ん中だ。
そして髪型は坊主頭。甲子園の高校球児のような精悍さ。
男から見てもたまらないぜ。

大作の主演をつとめるには、演技力はもちろんだけどやはり顔の力は重要だなと気づかせてくれる。

戦争賛美映画なのか

本作は戦争賛美が強いと批判されることがあるが、個人的にはそう感じなかった。
たしかに特攻で散った隊員をドラマチックに描いているし、戦争の悲惨さから目を背けている印象も受ける。
でも特攻の無意味さや不条理さを正面から描いており(主役がそもそもそのようなスタンス)、「なんでこんなことになってしまったんだ」という無念さは十分表れていた。

本作は、ひとりの隊員とその家族の物語に重きを置いている。思想とか扇動からうまく距離をとっているように感じた。
だからこそ現代パートはやや安っぽい演出(お涙頂戴的)が目立つことになってしまったが。
(「特攻は自爆テロとは違う!」と春馬くんがムキになって怒ったシーンは、あれ?これが作者の言いたいこと?との印象を与えたため、戦争賛美的な雰囲気を残してしまったかも)

なぜ特攻したのか

明らかに特攻による無駄死にに反対していた宮部隊員だが、最終的には廃人のような姿になり、特攻メンバーに名を連ねることになってしまった。
なぜそのような決意に至ったのか、劇中で明確な答えは用意されていない。
多くの教え子たちが散っていき責任を感じた、上部からの圧力、判断力精神力の低下。。
理由はいろいろ考えられるが本人にしかわからない。残された人がそれぞれ考えるしかない。

実際にある遺書のようなものでは、「お国のために」、「悔いはありません!」とか書かれているが、これがどこまで本心なのか。
本心だとしたら怖いし、本心でないとしたらむごすぎる。

その他の出演者

橋爪功:うますぎでした、最高
染谷翔太:岡田君の子分役が板についてる
吹石一恵:美人だしスタイル抜群なんだけど、画面から出てくるカロリー高め。
風吹ジュン:かわええ(定期)


エロ、暴力、戦闘シーンなしなので家族で観ても安心の戦争映画です。

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