消えゆくフィルム文化
僕は、 どこにでもいる、通信制高校に通う高校一年生だ。
今年の一月に、数年前から興味があった8mmフィルムカメラを、やっと手に入れた。
普通に映写できるエクタクロームというフィルムは在庫がない。さらに、色調が反転しているネガでさえ現像込み8000円はする。
私は、歯を食いしばってネガの生フィルムを一本だけ購入した。
早速中学の先生に交渉して、学校でフィルム映画を撮って良いか聞くと、普段から、行事ごとに動画制作をしては生徒に見せているちょっと変わった学年主任の先生は、大いに面白がって、快く了承してくれた。
撮影決行日になって、フィルムをカメラに詰めて学校に向かうと、案の定好奇の目でカメラや、同調音声用テープレコーダーを見てくる。
先生の監視下で撮影するという条件だったので、先生が上がってくるのを待った。上がってきた瞬間、シャシャシャッシャという独特なシャッター音が教室に響き渡るとともに、クラスのみんなの興奮の声が聞こえたのを今でも覚えている。
ただ、一つ驚いたのは、当時仲がよかった友人にカメラを渡した時、私が銀玉鉄砲(5m位しか飛ばない昭和のチープトイ)というマニアックなものの収集家であることが災いしたのか、、、
驚いたことに彼は『バーン!バーン!』と、銃を撃つふりをして、適当にシャッターを切り始めたのである。
もちろんすぐに止めたが、全く呆れたものだと思った。
(3分で現像込み8000円もするフィルムなのに、、、)
その後だったと思う。フィルムカメラ(写真)を始めたのは。
フィルムカメラのフィルムもやはり高かった。
なんとお値段約1800円である。
なんと高いんだ!!!!
と思いながら財布の中から3000円を捻り出し、モノクロとカラーを一本ずつ買った。
その後、塾の旅行で撮ったフィルムがこれである。
オークションで50円(送料込み)足らずで買ったフィルムカメラで、ちゃんと写真が撮れたことは、今思い返せばすごいことだったと思う。
多分ビギナーズラックの類だったんだろう。
少し後になって知った事実にも私は驚きを隠せなかった。
なんと、カメラのキ○ムラなどにに現像を出しに来る人はたくさんいらっしゃるというのに、
ほとんどがプリントをせず、『ネガを捨てる』という暴挙に出る方々さえいらっしゃるというのである。
なんということだろうか、、、
別に、スマホに取り込んでみる方々を否定するつもりはない(私は数少ない紙焼き派である)のだが、、、ネガはせめてとっておきたいですよねぇ、、、
結局、フィルムを始める方々のうち、結構な方が、
フィルムが好きなのではなく、『エモい』のが好きなのであって、あまりフィルムを愛していないのではないか。
そのような、信じたくない一抹の仮説が、僕の脳内に張り付く。
フィルムは、消えていってしまう、過去の文化なのか。
私は決して、信じたくはない。
(フィルム代ご援助ください!
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