Bounty Dog 【アグダード戦争】299-300

299

 現在、イシュダヌ親子は3階に居た。親のイシュダヌは麻薬奴隷商会本部から脱出する事だけ考えて降りているようだ。だが地上にはコルドウの群れが大勢居た。仲間を大量に殺した親のイシュダヌに向かって威嚇声を出しながら、獲物の到着を待ち構えている。
「焼きそば屋よ。儂の神輿が通る道の上で、営業をするな。貴様の位置は端だ!屋台は道の端から動くな!!」
「おおおおおお!獲物待ち、おーる、おん!!おおおおおおおおお!焼きそば屋、おーるデッドおん!!邪魔だから斬り刻む!!」
 渋い声と高めの声の宇宙語が外から聞こえてきた。煉瓦の壁に付いた硝子板が無い窓の外を見ると、地面から腕だけを出している大量のコルドウ達が、『死神の花』を地中に引き摺り込んで冥土に連れていくゾンビのように待ち構えている。
 カスタバラクの時と違い、イシュダヌの場合はミディールが殺害を止める指示を仲間達にしていない。先に待っている絶大な脅威に気付かず、親のイシュダヌは己の後先すら何も考えずに、瀕死間際の身体で走り続けていた。

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