Bounty Dog 【アグダード戦争】290-291

290

 汚い緑色をした布の中に着ている純白のドレスは、所々が血に染まって赤黒い真鱈模様が出来ていた。元々赤が混じっている長い白髪も、血に染まって所々が真鱈な赤色になっている。
 実の子が、梁の上から雨のように突撃銃から鉛玉を猛毒親に向かって撃ち続けてくる。親である麻薬奴隷商会勢力長のイシュダヌは、配偶者を殺害後に政治家にした長男経由で北東大陸の行政機関を操って親権を回収した、同じイシュダヌ姓に変えている未子に全身を散々に撃ち抜かれても、足を止めずに逃亡を続けていた。
 血の筋を床の上に作りながら、延々と走る。逃げ走りながら親のイシュダヌは頻繁に、右腕に掴んでいる血塗れの鞭で床を叩いて合図を送る。親側の兵士達が奴隷を操る鞭を打って、ミサイル弾を子のイシュダヌと敵勢に向かって発射してきた。爆弾は親の敵である”民間ゴミ人間掃除部隊”の隊員に直撃して、数人が四肢を吹き飛ばされたバラバラ状態になって即死する。
 数十人の人間と1体の亜人がしている”戦争終結の大掃除競争”は、列の後ろに行けば行く程に、悲惨な光景が広がっていた。

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