Bounty Dog 【清稜風月】100

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 真緑の目をしている人間の少年は既に動いていた。虹彩が金、瞳孔が赤い特殊な配色の目を持つ亜人の青年も、動き出す。
 焦茶色の目をしている人間の青年は、声の音量を増大させる小型の機械を足元に置いてから対人用の狙撃銃を構えた。同じく焦茶色の目をしているツインテールの黒髪女は、二丁拳銃を装備しながら激推し亜人の背に密着している。
 城に吹く穏やかな風と強い気配が、少しだけ遠くの地にいる焦茶色の目をした人間の男の警戒心を上げさせていた。手に掴んでいる大太刀は鞘に収められていない。何時でも誰が来ようとも部下以外は皆、斬り捨てる覚悟をとうにしていた。

 様々な色の目をした生き物達が、同じ場所で個々に想い、動いていた。撫子色の目をしている、此処から少し遠い場所にある山の頂上で暮らす虫の亜人から指令を受けてイヌナキ城に潜入している狼の亜人は、己の背にくっ付いている人間の女を振り落とす事に全力を注いだ。
 身を左右に勢い良くブンブン振る。コノハは銃を握ったまま激推し亜人の脇に腕を回して身を固定すると、振り落とされない事に全力を注いだ。曲輪の上で攻防戦を繰り広げ始めた”曲者達”に対して、通路側にいる槭樹の部下達は1体と1人を早急に討伐すべく、和弓で攻撃を始める。
 飛んでくる弓矢を避けながら、神輿の振り落としに専念するヒュウラの感情は”キレ掛けていた”。憎きテレビの神の刺客・ノウ神輿を早急に背中から振り落とさないと、漏れなく頭が狂ってしまう。己を喪失して堪るかと必死だった。

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