Bounty Dog 【清稜風月】167-169

167

 コノハは槭樹おじ様はNOであれと強く想った。シルフィは両方NOであれと強く想った。ヒュウラは何とも思わない。彼の口癖を使って表現するなら「そうか」とだけ強く想っていた。
 睦月が答えを告げてきた。Kの刺客に関して余りにも予想外の答えを言ってきたので、西洋の人間2人は東洋の人間を信用しなかった。
 人種差別をしている訳では無い。単純に睦月という1人の人間が言った答えを、コノハとシルフィという2人の人間が信じなかった。
『郷に入っては郷に従え』
 睦月が怒ったような声で通信機とヘッドセットの中から言ってきた。シルフィとコノハは言われた櫻國の諺を西洋での同じ意味になる諺に換えて、其々心の中で呟く。我々の世界では『ウェン・イン・ローム。ドゥ・アズ・ザ・ローマンズ・ドゥ。(ローマではローマ人のようにせよ)』と言い変えられるモノだった。
 人間達が止まっている間に、亜人が動いた。亜人の頭の中で響いていた音が、全てピタリと止んだ。

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