Bounty Dog 【清稜風月】173-175

173

 幻聴がまた聴こえてきた。次に聴こえた音は、猫の鳴き声だった。相棒の雌猫が出すニャーニャーという鳴き声では無い。ミャーミャーという鳴き声だった。ニューニューという子供の猫の鳴き声も聴こえてくる。ミョーミョーも聴こえた。これ迄は忘れていた”此方側の者”達の思い出が、唐突に彼の心の中に”ゆらぎ”を作り出した。

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