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眠れぬ夜に珈琲を

昨日も今日も、眠れない。
そこそこ疲れた一日を過ごし、日付が変わる前に布団に入ったのに、まぶたが落ちる気配がないまま現在真夜中二時過ぎ。

そういえば、去年も一昨年も九月のこの時期に自分が少し崩れたのだった。
九月は嫌いではないし、特に嫌な思い出もない。誰かを傷つけた覚えもない。夏の暑さも過ぎてカラリと快適ではないか。

あ、と夜中に突然思い至る。
そうだ、わたし、お年頃なんだわ。
お年頃なんてかわいい言葉に変えてはいるが、つまり更年期なんだ。

ここ数年、心がいつも起きている。
夏の疲れはまだ癒えず、秋の入り口で戸惑っている。

今眠れなくても、秋が深まる頃にはきっと眠れるようになる。
起きたままの心もどんどん鎮まっていく。

そう信じて、豆を挽いた。