スピーキングテスト どうよ?
都立高校の入試に英語のスピーキングテストが導入されるようになりました。
そもそも政府は、ちょっと前からこれからの英語教育は 読み書きだけでなく聞く話すを4本柱にやっていくと言いだし、今更?と思った私ごとをまずお話しさせて貰えば、
手前味噌ながら10年以上前、私が英語教室を始めた時に最も重要視していたのは
話すこと。言語ってなんのためにあるのか?と考えれば、話すことが要であるのは当然です。
ルールブックを読んでも話せるようにならないと繰り返し唱えてきました。
日常を日本語でしか生活していない子供たちに、いかに英語を使わせるか?が私自身に与えたミッションで、その中で「英語が使いたくなる実践」を念頭に企画した、英語でお買い物 英語で外国人にインタビュー 英語の歌 は彼らのモチベーションを上げる鉄板企画で、10年の間に「当たり前の英語」として浸透させてきました。新しくできた英語体験施設TGG英語村での遠足も、生徒たちは臆することなく買い物のミッションをこなしてたし、外国人スタッフとも当たり前に挨拶していました
さて、スピーキングテストの話に戻しますと、開始する前に反対意見のボルテージが上がりまくっていた理由は、不公平なく同じテストが受けられるように対面テストではなくあらかじめ作られている問題をタブレットで見ながら、指定時間内に解答すると言うスタイル。さらにはその評価をフィリピンのなんたらと言う施設に送って点数を判定されると言うツッコミどころ満載のやり方。
なんで?のてんこ盛り
私の推測ですが、スピーキングの本来の目的であるべき「会話能力」を判定するのであれば対面式でしかるべきなのに、そうしない理由は対面式テストのできる試験官が揃わない。とか、このシステムを作るためのお金を誰かが仲良しのどこかにあげたいため?(あくまで個人の意見です)
実際に試験が導入される前に実験的に行われたスピーキングテストの流れを動画で見ましたが
「準備時間5秒 解答時間5秒」とか出ているのに、試験問題が画面に表示されてから内容を説明するので、それが20秒ほどあったり、時間経過がわかるようにタイムレンジが温度計みたいに表示されていますがそれも7秒くらいあったり、またしてもなんで?のてんこ盛り
どちらにしてもろくに会話もできていない中学生が、このタイムレンジの中で問題に即答できるのか???
うちの受講生に実際の中学の英語の授業でのスピーキングがどのように行われているかを聞いたところ
特に会話することはないけれど、チャットタイムなるものがあり、課題に質問の書いてある紙が渡され、自分でそれについての答えを書き込み、その紙を読んで隣の子とやりとりすると、、、
それ、、会話じゃないから
うちの生徒にしてみれば、同じことをやっても意味がないと思うのか、質問の内容をちょっと単語を替えて応用すると相手の子に嫌な顔をされると、、、
以前聞いたことがある帰国子女の子の話は、日本の英語教育があまりにも変ですっかり英語が嫌いになったとか。
日本社会が差別してはいけないと言うのは社会的弱者に対してその人権を認めることには正義感を発揮するのに、平均よりも上の能力を持ったものが感じる疎外感に関しては差別している感覚がない。
またこんなことを書くと、差別だと言われそうだけれど、いつも能力の少ない方に寄せてばかりいるから全体の能力が上がらないと言うことに気付いていない
元はと言えば戦後の英語教育が全く実践的ではない読み書き中心だったことで、英語の話せる英語教員が育たなかったから、現在英語で授業できる教員もいない。それなのに今頃やばい!と気付いたら、英語の教え方も話し方も習っていない小学校の教員にまで英語を教えさせてしまう。
悪循環の極み
順番からすれば、まずスピーキングできる授業の環境を作ってからテストをするのが真っ当と思いますが、今までもそうだったように、先に無理な課題を設定して、それに現場を合わせさせる方法なのでしょう。現場の先生のことを思うと切なくもなります。
スピーキングテストで出題されると思われる買い物の課題
うちの生徒は「お買い物なんて何回もやったから大好きだし、これは絶対できる」と言います。
そんなに特別な指導をしたわけでもない、みんなでお買い物ごっこをしてきただけ。
英語の得点を上げるよりも英語を好きな子が増える教育をしてほしいものです
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