見出し画像

こどものこころ あるアンケートのこと

私の教室は英語と音楽の教室なので、発表会では英語の自由発表とピアノと歌の発表があります。
そして、参加者は全員他の発表について一言良いところを書くアンケートをします。
みんなとても細かくよく書いてくれる。

その中の一つに、どの発表も上手に良いところを書いてくれているものがありました。そして、発表会を当日おやすみした子の欄には、たいがい誰も書いてないのに、この子だけは
「お休みで出られなくてくやしかったね、来年また出られると良いね」
書いてくれているのです。
優しいメッセージだなぁと読み進めていくと、
最後の欄だけ本来は空欄なのに、何か書いてある
え???

「先生へ
いつもピアノを教えてくれて、ありがとうございます。次は今日のよりもっとすごい発表をしたいです。
これからも教えてほしいです

親にはこれを書いたこと、言わんといてほしいです」

まさか!と思いました。

アンケートは無記名なのですが、ピアノだけ習っている子は少ないし、この文面からするとそこそこ高学年、、だとすると該当する子は1人

場面緘黙の子!
今5年生ですが、学校では入学した時から一度も口を聞いたことがない子です。ところが私のレッスンに来た時は、必要なことは返事をしてくれていました。とはいえ多くを語るわけじゃ無いのですが、そのほとんど喋らない子が、これだけきちんとしたメッセージを書いているギャップが驚きでした。
しかも、、、

「親にはこれを書いたこと言わんといてほしいです」

と言うひと言、なんだか切ない。きっとお母さんは心配だから、
色んなこと言ってモチベーション上げたりするのかな?気をつかいすぎてることがこの子には負担なのかもしれない。
もしこんなにしっかりアンケートかけたことがわかったら、また励まされたりするのが辛いんじゃ無いか?
数少ない彼女の一言からいろんなことを想像してしまいました。
全員で発表する紙芝居の合同練習の時も、普段合わない生徒たちがいっぱいいて、ずーっとコートのフード被ったまんまでした。

「次はもっとすごい発表がしたい」

しゃべるのが不得意だと心の中はなかなか見えないし、なにも考えてないのか?と思われてしまうこともあるだろうけど、アンケートがあったからこの子の気持ちに気づけました。

喋らなくてもいいから、また来年チャレンジしてほしいです。

そしてもう一つのエピソードに続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?