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「老害の人」

「老害の人」(内館牧子 講談社)

脚本家の著者による、老人が主人公の小説。小説を読むのは久しぶりである。面白かったし、自分もいずれこうなっていくんだといろいろ考えた。

小説の一部を切り取ってくるのが良いかわからないが、
「ああ年取ったなァって一番感じるのは...欲がなくなること」(69ページ)、
「老人と若者は似ている。先がないから突っ走るか、先を考えずに突っ走るかの違いだ」(177ページ)、
「男でも女でも、一番つまンない人間は『毒にも薬にもならない』ってタイプです」(277ページ)、
「仕事というものは、抗うつ薬なのだ」(302ページ)、
(江戸川乱歩の色紙の言葉)
「うつし世はゆめ 夜の夢こそまこと」
「私個人の解釈としては、『自分たちが生きているこの世は、夢なんだ。夜の眠りで見る夢こそが、本当なんだ』ってこと」(330ページ)
など、印象的な言葉もいくつかあった。

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