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「ものは言いよう」
「ものは言いよう」(ヨシタケシンスケ 白泉社)
ヨシタケシンスケの自己紹介や、これまでに出版した絵本、面白いと思う本など、ヨシタケシンスケについての本。創作の日常や考え方について綴られているが、読んでいてとにかく楽しくなる本で、面白かった。
ヨシタケシンスケの、絵本作家にナルニハ国物語 (52-53ページ)
僕、英語は全然わからないのに、英語の本をよく買うんですよ。(88ページ)
神奈川県立こども医療センターの子どもたちへヨシタケさんからの贈り物 (108-109ページ)
ボランティアで絵を描いているそうで、素晴らしいと思った。
「センス」とは、別の言い方をすれば「運」なのかも知れませんね。
ただ、どんな世界にも「才能だけでやっていくコース」と、「才能はないけど技術と努力でどうにかするコース」があって、どちらもプロにはなれるんです。(123ページ)
でも、面白そうな企画はいっぱい出せるけど、実際にラフに描いたときに面白いかどうかは、まったく別問題で。ラフに描いたときに具体的なものになっているかどうか、「あれ、この間あんなに盛り上がっていたのに」「なんかもっと面白いはずなんだけど」というのは、そこの差ですよね。なんとなく盛り上がった面白さが、具体的にこういう小ネタのことだよね、とできるかどうかが作家の力量なんですよね。打合せで盛り上がるのは、案外簡単なんですよ(笑)。(131ページ)
自分の絵本の読者の人には、「いろんな人がいるんだよな」というのが読後感として残ってくれれば一番よくて。もっと言うと、「この人、こんな楽しいこと描いているけど、ほんとは楽しいことばかりじゃないんだろうな」というくらいの想像力が働いてくれるといいな、というか。世の中、いろんなものが記録に残っているけれど、本当は記録に残っていないことの方が多いというか、なんにも残らない気持ち、思いというものがたくさんあって、その中のごく一部のものが本や映画や小説になっていく。そういう、ものにならないものが世の中にたくさんあるということに思いをはせることができるほんがつくれたときに、僕は多分一番うれしいんだろうな、と思っていて。(132ページ)
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