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「保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである」

「保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである」(福田和也 河出書房新社)

文芸評論家の著者による、コロナ禍での名店再訪の本。出版社のサイトにある以下の説明がこの本を端的に物語っている。

名店とは客と街、時代と歴史が織りなす文化そのものである――美食痛飲の限りを尽くし
10年に渡り体調を損ねた破滅的な快楽主義者が、名店再訪から新たな保守思想を立ち上げる!

週刊誌の不定期連載を本にしたものだが、「私事を言えば、連載中に三度倒れ、三度救急車で病院に運ばれた」(102ページ)とあり、こう言っては失礼かもしれないが、食って、飲んで、原稿を書いてという作家さんならではの本なのだと思う。

自腹で名店を訪ね歩き、このような店を守ることが保守なのであると述べている。コロナ禍の緊急事態宣言などへの恨み言など、今改めて読むと、コロナ禍では酒を出す飲食店が極端な悪者にされていたなと改めて感じた。良い店に通って、潰れないように支えるのは大事なことであると思う。

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