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【SNSデマ情報】はびこるワケと見極めるための方法~地震雲・津波配信ーご質問の回答

stand.fmでいただいた質問のご紹介とご回答をしたいと思います!
(4月13日配信)

※2020年3月28日にご質問をいただいてましたが、ご回答が4月13日になってしまいました。ご回答が遅れたことお詫びいたします🙇

ご質問内容

地震の話は、SNSでも情報がたくさんあって混乱します。
地震雲とか、津波の引き波の話とか知らないと、どれも本当の話のように思えてなりません。
なんで、そのようなデマ?怪しい情報がはびこるんでしょうか?
見極めるには、何か具体的な対応法はありますか?

たぶん、私がライブ配信で「地震雲」に否定的だったことや、津波について正しい理解を促す収録配信をしたので、これを受けてのご質問だと思いいます。

それでは、回答をしたいと思います。

1. デマが広がる理由

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地震とか津波などの災害というのは、誰もが不安に思いますよね。
デマは不安な状況になるほど、広がりやすい性質をもっています。

デマが広がってしまう理由を整理すると、大きく2つあります。

 (1)人々の不安心理行動による理由
 (2)SNSの有する性質による理由


(1)人々の不安心理行動

人は、世の中が不安定になるほど、そして不安な心理状態になるほど、次のような行動をしやすいものです。そして悪意を持った人間が現れます。

①不安なことほど、少しでも役に立つ情報を得ようとする。
②「役に立ちそうな情報」を見つけると、信頼性にかかわらず「みんなに伝えるべき情報」と考え、周りに伝えようとする。
③友人や知人から得た情報は、一般的にその価値を高く見てしまうので、チェーンメールとなったり、SNS上でリツイートされやすい。
④面白半分に伝えようとする人間が現れる。
⑤悪用する人間が増える。

(2)SNSの性質からくる理由

人々の心理行動に加え、瞬時に、全世界に情報を発信することができるSNSがの性質が、デマ情報を拡散しやすい要因と言えます。

2016年4月に起きた熊本地震のとき、ひどいデマ情報に

「動物園からライオンが逃げた」

というものが有名ですよね。この情報を流した投稿者は、偽計業務妨害で逮捕されました。

2. デマ情報を見極める 

デマに惑わされないためには、次の3つが重要になります。

①伝聞の話は勇気をもって疑う。
②常に政府機関・自治体などの公式情報を確認する。
③科学的検証がされているかを冷静に見るようにする。
(事実確認が検証できているか確認する)

悪意が含まれているものも含め、正しい情報かデマかを見極めるのには、本来、「高度なスキル」と、高い「情報リテラシー」が必要です。

一般ユーザーも常に情報を確認し、裏を取ることができればよいのですが、これは簡単にできることではありません。

とくに専門性が高くなるほど、裏を取ることが難しくなります。

ですから、一般ユーザーの方は、まずは、

自分で確証を持てない情報については、
・「情報の拡散に加担しない」
・「情報を安易にシェアしない」

ことを心がけて欲しいと思います。

真偽の判断はとりあえず保留にしておく姿勢も大切です。時間が経過するといろんな情報が入ってくるので、どこかのタイミングで誰かがデマと気付いてくれます。

3. 信頼できる情報か自分で確認したいとき

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そうはいっても、一般ユーザーの方も、信頼できる情報か確認したいこともありますよね。

私がSNSを見て、それが信頼できるものかどうか判断する基準がありますので紹介したいと思います。

なお、最後は「公式情報を確認する」、「検証されているか事実関係を確認する」ことが必要なので、常に意識してください。

🔶不安をあおる、急がせる表現

デマ情報は強調表現、不安をあおる表現や急がせる表現が多いですね。これは「詐欺の手口」と似ています。

その情報が本当であれば、事実のみを記載すれば十分です。
しかし、ウソの情報というものは、意図的であるか否かにかかわらず、以下の特徴があります。

・強調表現や不安をあおる表現で信じ込ませようとする
・急いで拡散させようとする

<例>
・不安をあおる表現

 危険な、悪質な、大変な など
・急がせる表現
 大至急、今なら〇〇!

上記の表現にさらに強調表現を加えることがほとんどです。
 かなり、すごく、絶対、全て、必ず、重大な など

とくに「生命」「金銭」に関わる内容については要注意です。上記のような表現が実に多いです!

それだけ、デマやウソがSNS上で、多く出回っているということです。

🔶情報源が記載されていない

本当のように記載されていても、リンク(情報源のURL)や根拠が記載されていない場合は、必ず自分で検索して情報源を確かめましょう。

官公庁や企業に関するものであれば、公式ホームページや公式ブログ等を確認してください。

地震情報や津波情報などは、気象庁のホームページから、内容によってはテレビやラジオ等のニュースを確認することも有効です。

🔶伝聞形式である

記載されている情報に、「らしい」「みたい」「だそうです」等の伝聞形式が含まれている場合も注意が必要です。

「有名人が」「友人が」「知り合いが」など情報源があいまいな場合は、当事者と直接話をしたり、公式ホームページを検索するなどして確認するようにしてください。

🔶拡散を勧めている

拡散には、悪意によるものと善意によるものの2パターンがあります。どちらであっても、情報源を確かめ、無闇に拡散しないことが重要です。

悪意ある拡散には、私が小学生・中学生のころ流布された「これを見てからすぐに伝えないと不幸になります」のようなものが有名ですよね。

SNS上では、このような直接的な表現はさすがに少ないですが、似たような言い回しがたくさんあるので注意してくださいね。

善意による拡散には、例えば「被害を未然に防ぐために、知り合いすべてに共有してください」などがあります。

あり得ない情報でも、信じてしまう人もいます。

もし皆さんがこのような情報を受け取った場合は、情報の真偽を確認する習慣をつけましょう。

そして、真偽の確証が得られない場合は、シェアしない、拡散しないことを心がけてくださいね。

4. SNSユーザーが知っておくべきこと

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①実際に起こっていない事故や事実と異なる情報
②必ずしも正確ではない情報
③面白半分で載せたウソの情報

これらが、デマ情報としてSNSで爆発的に広がることがあることを、常に意識しましょう。

得られた情報が自分や友人に影響のある内容の場合、急いで教えたくなります。

しかし、まずはその情報が本当か確かめる必要があります。
なぜなら、インターネット上で流れる情報は全て真実とは限らないからです。

繰り返しになりますが、一般ユーザーが最低限すべきことは、確証が持てない情報は、「アップしない」「拡散しない」ことを肝に銘じて欲しいと思います。

もし、ウソや根拠のない情報を拡散してしまった場合、以下のことが起こる可能性があることを知っておきましょう。

🔶ウソの情報を流す社会的ペナルティ

・自分の信頼が失墜する
・風説の流布や犯罪にあたる場合がある
・企業等に損害賠償を請求される等、不利益を被る可能性がある
 (いわゆる風評被害)

このような事態にならないよう、一呼吸おいて、情報の真偽を自ら判断しましょう。

🔶デマ情報は社会的に悪影響をもたらす

・混乱を引き起こしたり、被災者の不安を拡大させてしまう
・誤った情報や不確かな情報は救援活動に支障をきたす恐れがある
・緊急時の限られた通信環境を圧迫し、本当に必要な情報が行き届かないことにもなりかねない。

社会全体でみると、デマ情報は悪影響をもたらす可能性があることを知っておきましょう。

5. 信頼できる情報源で

政府や被災地域の自治体等も、Twitter等のSNSを活用して情報発信に取り組んでいます。

報道や行政機関のウェブサイト等の信頼できる情報源で情報の真偽を確かめ、冷静に対処することが大切ですよ。

地震雲や地震予知、津波については、気象庁のものや日本地震学会の見解が参考になります。

・気象庁|地震予知について
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq24.html

・気象庁|津波について
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq26.html

・公益社団法人日本地震学会|(2)地震の予知・予測
https://www.zisin.jp/faq/faq02.html

また、デマ情報については、以下の情報が参考になります。

一般社団法人日本通信協会ー迷惑メールセンターhttps://www.dekyo.or.jp/soudan/contents/eq/

警視庁(東京都)ー疑わしい情報に惑わされないために
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/cyber/joho/truth.html

疑わしいネットニュースの真偽についてメディアが検証する「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)といった公的団体のホームページをチェックするのもよいでしょう。

ファクトチェック・イニシアティブ(ホームページ)
<https://fij.info/>

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