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すがることに

先日の長雨で、冠水したり、崖が崩れたり、現場の近くも結構被害があった。神奈川の西部も被害があるところと、そうでないところがあり、ほんの少しの違いで差が大きく出ている。沼津の友人にも連絡すると夜中に電話があった。半年に一度長電話をしている。彼とはバックパックを背負っていたときにフィレンツェで出会ったからの仲だ。お互いに彷徨っていて、何かを探していたんだと思う。彼は家業を継ぐことになって沼津に戻ったのだ。

安否確認と被害の確認してから、近状報告をしてから、これからの話などをしたのだ。彼は家業を畳むかどうか悩んでいるようだ。漫画と音楽にすがってなんとか毎日の現実をやりくりしているという。おすすめの漫画を教えてもらって、早速次の日の日曜の早朝にまとめて読んだ。

好みは近いから食い入るように読んでしまった。

自分もだが彼も、その漫画の主人公のように、ひたむきに何かに打ち込みたいと思っているが、現実はそうではなく。同じような日常の繰り返しだ。その登場人物は世界一を目指して、それだけに打ち込んでいる様子が描かれている。彼のその後ろ姿に多くに人が惹かれて、手助けをしたり、本来ならあり得ないような、出会いを繰り返して大きな舞台に臨むことになる。とにかく世界一を目指す。それには根拠も何もない。彼は技術的にも上手い方ではないが、上手いやつは沢山いる。その上に行けるないかを秘めていると多くにお人が彼を助けて、その彼の面白いことに夢をかけていく。それに彼も答えていく。河原で誰も聴いていない方向にひたすらアルトサックスを吹き続ける。通りに向いてケースを開けていれば、お金が入ることはわかっているのだが、そんな簡単なことを目指していないと彼は言う。もう自分だったら、ケースにお金が入るのを期待して演奏しまくってしまいそうだが。彼はそんなことよりも別のことに向けて、ひたすら吹き続ける。毎日、同じ時間に、暑かろうが、寒かろうが関係ない。

おそらく、楽器でなくても、何かに打ち込みたいと多くの人が心に秘めている。だからといって彼のように継続できるかと言われるとそうではない。どうしても安易なことにそれていってしまう。そしてやればできるんだと言って毎日を過ごしてしまうのだ。自分もそうだからよくわかる。何もサックスでなくてもいいはずで、自分が簡単にできることを毎日繰り返すだけでもいいはずでそれさえも欠かさず繰り返すことの、難しさ。もっと大切なことがあると思って、凡事を疎かにしてしまう。手を動かせば秒で終わる事も、やらずにスマホをいじっているのだ。

その彼は直感的に、それをできる人で、細かく計画して、緻密にやっていく人もいる。形は違っても継続していくこと。自分もこのブログを毎日書くと決めていても、毎日はかなり難しい。いや、それ以外のことを優先してしまう。それは毎日していることがそもそも自分にとって無理のあることの繰り返しなのではないかと思う。目標や計画に対して、やり方が違っているのだろう。

その漫画は10巻くらいまであるが、まだ4巻くらいまでしか読めてないので、まだ、続きがあるので楽しみが一つ増えた。


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