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native | FIELD assistant

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NPO法人フィールドアシスタントがお届けする、世界各地の人たちに暮らしの知恵を求めて話を聞くポッドキャスト「ラジオネイティブ(radio native)」を公開中。このマガジンは… もっと読む
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#火星

nativeとは

厳しい環境の中にこそ、美しい暮らしがある これは極地建築家・村上祐資の信念だ。地球上で「極地」と呼ばれる場所は、牙をむいた自然が目の前に迫り、人を容易には寄せつけない。だが、そんなところでも人は暮らしを続けている。日本の南極観測隊はもう60年以上、雪と氷の地で暮らしをつなぎ続けてきた。富士山の山頂で観測を続ける人、あるいはヒマラヤのベースキャンプで登山家を見守る人たちもいる。村上はそんな場所に出かけては、もう1000日以上、暮らしてきた。建築家としての関心は、極地の暮らしのな

【読むラジオ】#018 思い通りにならない。そこでもがくのがこの仕事だった

同じ撮影現場は二度とない 今井)熊本で報道の最前線で取材をされている NHK の河村信さんに、極地建築家・村上祐資さんとお話を伺っています。今回で最終回です。今回は河村さんの個人的なことについてもお話伺いたいと思います。河村さんはそもそも、どうして報道の世界に入ったんですか? 河村)海に関わる仕事をしたいということで、 NHK に水中の取材班というのがあることを知ったんです。報道というのは後付ではあったんですけど、子どものころからいろんな所に行ってみたいとか、いろんな人の話

【読むラジオ】#001 「ネイティブ」って何?

NPO 法人フィールドアシスタントがポッドキャスト「ラジオ・ネイティブ」を始めました。もうお聞きいただいたでしょうか? ここでは放送をベースに、加筆修正したテキスト版をお届けします。耳で、文字で、是非いろんな人に聞いていただければと思っています。どうぞよろしくお願いします! お届けするのはNPO法人フィールドアシスタント代表の極地建築家・村上祐資と、ネイティブ編集長の今井尚です。 「ネイティブ」って何?今井)やっぱり最初はこの「native」という言葉ですよね。辞書的に言う

ポッドキャスト始めます

 突然ですが、ポッドキャストを始めることにしました。  私たちは2019年にフィールドアシスタントというNPO法人を設立しました。極地建築家の村上祐資を中心に、旅や冒険、人間の暮らしに関心を寄せるメンバーが集まり、「極地と呼ばれる厳しい環境での暮らしにこそ、私たちの暮らしの根幹にかかわる大切な何かがあるのではないか」との信念で、活動を始めました。  退役した元南極観測船「SHIRASE 5002」を活用して行った模擬宇宙生活実験では、この船を「火星に向かう宇宙船」に見立てて

模擬宇宙生活実験のクルー(女子大生)

髙階美鈴さん「本気で死ぬと思いました。といってもまあ、実際は別に死なないんですけど・・・」宇宙服を着た船外での活動中に、宇宙服に空気を送るバッテリーが切れそうになり、髙階さんはかなり焦っていた。なにしろここは「宇宙」であり、バッテリーが切れるということは、すなわち「死」を意味するからだーー。 2019年2月から3月にかけて、4人のクルーが16日間にわたり閉鎖された環境で過ごす「模擬宇宙生活実験」が千葉県船橋市の元南極観測船「SHIRASE」船内で行われた。企画したのは極地建

模擬宇宙生活実験の管制官

地球から火星まで往復3~4年。その長い旅に関わるのは、飛行士だけではない。同じ期間、地上で見守り続ける人たちがいる。「管制官」はその象徴的な役割だ。 北極冒険家の事務局・栗原慶太郎さん将来の火星飛行を想定し、閉鎖環境で過ごす実験が近年、アメリカをはじめ世界各国で盛んに行われている。だがそのどれもが飛行士に注目したもので、管制官を想定した実験はほぼない。2019年2月から3月にかけ、千葉県船橋市の元南極観測船「SHIRASE」船内で行われた実験では、管制官が2名配備された。