Fieldism Live Report Vol.1: Winter Wakes ''BREATHE'' Tour in Osaka (March 18, 2022)
↑直近で上げた "Fieldism New Song Selection"も是非。
皆様、ご機嫌いかがでしょうか? Ryotaです。
3月上旬のFieldism New Songs Selectionで話した通り、先日3回目の新型コロナウイルスワクチンを打ってフルチンで武装したことで、年始以降自粛していたライブハウスに久々に足を運びました。今回は予告した通り東京を拠点に活動しているポストハードコアバンドWinter Wakesの最新シングルのリリースツアー大阪編にお邪魔しましたので、ライブレポを書かせていただきます。今までの ''Buried Alive'' や ''Stay Nerd / Stay Emotional'' と違って自分が携わったものではないライブイベントのレポートを書くのは初めてで手探りのところは多々ありますが、ご一読いただけると幸いです。
何度かこちらのnoteでも取り上げている通り、筆者も国内バンドの中ではかなり注目していて以前からライブ観たいと思っていたのでずっと楽しみにしていました。もう職場を早退してオープン早々心斎橋VARON駆け込みましたからね。
※各バンドのメンバーの名前は敬称略になること、何卒ご了承ください。
1. View From The Soyuz
今回の公演でトッパーを務めたのは、平均年齢21~22歳の東京発新鋭 ''TRUE METALCORE'' View From The Soyuz。本格的に始動して半年強ながらも精力的なライブ活動とハイクオリティな「00s Metalcoreを主軸とした楽曲+フューリーエッジ・ニュースクール要素」を取り入れた楽曲陣でハードコア・メタルリスナーの注目を集めていることで、国内の90~00'sメタルコア・リバイバルブームの一端をになっています。この公演の前にGATES OF HOPELESSの企画で初めて大阪に来ているのですが、筆者は諸事情で行けなかったので今回初めてライブを観ることになります。
横長のVaronのステージだからか、ムーブキレキレでしたね。
肝心のライブ内容ですが、サポート含めメンバー各々が精力的にライブ活動をしてきただけあって、今回のラインナップで一番若いながらも弦楽器隊コンビGt. NARI & sup Gt. Genの厳格でJUSTICEなイエテボリリフと消防隊出動案件になりそうなリードパート、Sup Ba. Shima & Dr. Shunsukeが刻む正確なリズム、そしてキレキレのムーブをかましながらタフなシャウトを放つVo. Masaのパフォーマンスには拳を掲げずにはいられませんでした。個人的には音源未収録の新曲 ''Sky Burial'' 仁王たちでメロイックサイン必至で腕が攣りそうになったのと、''Stick in the Mud'' でOaktailsのVo. Humがfeatしたところはテンションが上がりましたね。
実はこの公演の翌日/翌々日に小岩→横浜と3日連続でライブを組んでいた彼らは先月から2カ月連続で大阪に来てくれてますが、来月も関西の若手ハードコアクルーWest Side Unity主催企画 ''Leave Youth Here 2'' で大阪に来るとのこと。Dr. Shunsukeが兼任している同世代の東京発ハードコアバンドALIENGUMも一緒なので楽しみです。
また、Sup Gt. GenのバンドEversolitudeもそろそろ新しい音源リリースなど動きがありそうなので、VFTSとジャンルは違いますがこちらもチェックを。
2. Evilgloom
2バンド目は福岡発ニューメタルコアバンドEvilgloom、オージーの同ジャンルのバンドと遜色ない重厚なグルーブ・惜しみない金切りワーミーエフェクト・フルモッシュ不可避のビートダウンが襲い掛かる攻めの楽曲陣は、始動から2年強ながらトレンドに敏感なリスナーをがっちり掴んでいることで着実に注目度が高まっています。昨年の12月にGraupelのツアーで神戸には来ているのですが大阪は今回の公演が初(本来であれば2月に不祀のレコ発があったのですが中止)、もちろん筆者も始動以来ずっと見たかったバンドの一つです。
今回の公演はGt. $ANA£-monが不在のため4人体制でのライブでしたが、今回のラインナップの中で最もチューニングが低いだけあってどのバンドにも負けない地を這うような重低音が襲い掛かりましたね。グロウルからラップまでこなすVo. Demiの貫録あるパフォーマンス、機材隊3人の邪悪なグルーブはもちろん、時折飛び出してくるGt. YuUの変態的なエフェクトやSup Dr. tsyの複雑なドラミングは観ていて面白かったです。最も攻めたショートチューン ''Dip'' からトラップ・ラップ調のインタールード ''092'' までバンドとして全体の流れと雰囲気が完成されていた感あります。あとGt. YuUのギターがFenderのJim Rootモデルのジャズマスター (+Evertuneブリッジ付き) 使ってて性癖に刺さりまくってました (オタク特有の早口)。
ニューメタルコアバンドのライブ観たのはおそらくPROMPTS以来ですが、Buried Aliveまたやりたくなりましたね。SN/SEと並行で進めようか悩みます。
ちなみにSup Dr.のtsyは福岡でEternal Outというメタルコアバンドに在籍しているのですが、初聴だと独特の雰囲気の攻めと静寂によるコントラストでぶった曲げる事必至。
3. Oaktails
3バンド目は東京発激情ハードコアバンドOaktails。初期のAFTERGLOWやNight The Skylineなどで活躍してきたメンバーが集ったこのバンドですが、熱量あふれる激情シャウトボーカルから静寂と心情に語り掛けてくるスポークンパートを駆使するVo. Humのボーカルと、カオティックな不協和音を交えたアグレッシブネスと哀愁溢れる繊細なメロディの対比が美しい楽曲は間違いなく生で観ることに価値があるといえます。大阪はSecret Keeperとの来日ツアー以来2年ぶり、筆者は2年半前に一度東京で観たことはありますがその公演は行けてません。
2年ぶりの大阪だったからなのかそれとも後輩のレコ発で気合が入っていたのかはわかりませんが、以前観た時よりも感情に身を任せた脚色されない本能的・衝動的なパフォーマンスとどこまでも等身大で不器用なVo. Humの立ち振る舞いには琴線に刺さらずにはいられませんでした。さすがにVo. Humは当日高ぶりすぎて膝を断裂して翌日の吉祥寺のライブでは松葉杖をついてパフォーマンスする羽目になった(らしい)のは「マジか」ってなりました。確かにライブ後足を引きずりながら移動しているのは目にしましたが...
また、クリーントーンのアルペジオが鳴る凪いだ海のように研ぎ澄まされた静かなパート、荒波のようにギターの轟音や激しいドラミングが襲い掛かるその静と動の対比・ドラマ性は鳥肌が立ちました。この奇妙な感覚はライブでしか体験できないことなのかなとは今更ながら思います。
さらっとMCで触れられてましたが近いうちにまた大阪来る計画があるとかないとか言われてますので、この記事観て気になる方は是非遊びに行きましょう。
4. UNMASK aLIVE
近年盛り上がりを見せる国内ポップパンクシーンで異彩を放っているUNMASK aLIVE。先日Good GriefとのスプリットEPリリースツアーを地元福知山で完結させたのも記憶に新しいです(行きたかった)。ポップパンクを基軸にしつつもエモ・ハードコアの要素も取り入れたサウンド & UNMASK aLIVEの音楽性を語るうえで不可欠な要素である侘び寂び感じる日本語詞を武器に、コロナ禍の現在でも全国各地で精力的なライブ活動を重ねており、着々にファンベースが大きくなってきているように思えます。筆者もなんだかんだ4~5回くらい観ています。
唯一の関西勢となるこのバンド、筆者も大体の曲は聞きなれているので安定といえば安定かもしれませんが、軽快で明るくキャッチーで元気を与えてくれるポップパンクを基軸に、ハードコア影響下の力強さと哀愁を感じるエモ・オルタナ要素と日本語詞をブレンドしたサウンドはライブを重ねるごとに円熟味を増しているといっても過言ではありません。
彼らとWinter Wakesは一緒にGraupelのツアー秋田編で一緒に共演した仲であり、Vo.コウダイもWinter Wakesの強みである ''Pure Noise Records直系の出で立ちやエモ・オルタナ要素を入れたサウンド''について言及していたり、原曲でTEMPLEのVo. MERCYがfeat. する ''108'' ではWinter WakesのVo. Rukaがfeat.したりと、お互いの親交の深さが伺えました。
先日発表がありましたが、6月18日・19日の2日間に大阪の築港赤レンガ倉庫GLION MUSEUMで、キャリア最大規模の企画 ''One & Only Festival'' の開催を発表した彼ら。アクト解禁第一弾はGraupel, made in me, TEMPLE, Castaway, waterweedなど10バンド、残り14組も後日発表なので今後の動向に要チェックですね。
5. Winter Wakes
大トリを務めたのは今回の主役Winter Wakes、名古屋は何度か来ていたものの大阪は今回初上陸になります。ハードコア・ポップパンクはともかく、正直今の大阪は遠方のポストハードコア・メタルコアバンドが来づらく実際近年のツアーでも大阪公演を飛ばされることがチラホラ見うけられる状況だったので(この話題になると記事一つ書けます。書きませんが)、UNMASK aLIVEは別としてまだ関西のバンドとの関係ができてないはずにも関わらず、大阪に来てくれたのは本当にうれしかったです。
曲間でVo. RukaがMCで言及していた「今回のキャリア初東名阪ツアーは自分たちの慣れ親しんだホームから外に一歩踏み出していくことを考えていた」と言うのもそうですし、その縛られないスタンスは先日新曲 ''Breathe'' や会場販売デモ ''Jaded'' でも表れていたと思います。「実際に複数ジャンルから解釈できるサウンド」、例えばメタルコア・ポストハードコアを軸にしつつもPure Noise Recordsのエモ・ポップパンク影響下の(いい意味で)力まない、ポップパンク・ハードコア・オルタナ主体 or 入り混じったメンツのライブでも浮かない世界観・サウンドは個人的に大きな強みだと考えております。
EP ''Linger'' の ''Far Away'' を聴いたときからその特徴的なシングルコイルっぽいサウンドはLANDMVRKSを彷彿とさせてましたが、前述の通り新しくリリースされた楽曲はより各メンバー(特にGt. SHUYAやVo. Rukaあたりだと思います)のバックグラウンドが大きく反映されており、オルタナ・インディー・エモ要素が伺える「聴かせる」パートを際立たせた静と動の対比が美しい ''Breathe'' や、Turnstileあたりを彷彿とさせる(と勝手に思ってます)、大きく体を揺らすビート・ハードコアっぽいダンサブルな新曲 ''Jaded'' など、縛られないエクスペリメンタルなアプローチには脱帽です。セトリの最後には前身のArea/45時代にリリースされた楽曲 ''Stagnant'' で締めたのは滾りましたね。まさかやってくれると思ってなかった。
自粛明け一発目のライブがこの公演で本当に良かったです。
実はまだ主催側のアナウンスがされていないので具体的な内容は言えませんが(ぶっちゃけ会場側は情報解禁してます)、次は東京で彼らを観に行く機会があります。対バンの中に兼ねてから観たかった初見のバンドもいるっぽいので楽しみですね。
末筆
というわけで、少し期間空きましたが自粛明け一発目の公演のレポートを書かせていただきました。是非自分のレポートを読んで気になるバンドがいたら、音源やMVをチェックしてもらえると幸いです。なんなら彼らが皆様の住んでる街に来た時でも遠方に遊びに行く時でも構いませんので是非ライブハウスに足を運んでいただけると、オタク冥利に尽きます。
今後もこのライブレポートは機会を見てやっていくので是非このnote及びTwitterのアカウントのフォローのほどよろしくお願いいたします。
ここまでお読みいただきありがとうございました。感想とかもらえると嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?