『天変地異が起りさうだ』 芥川龍之介 大正十二年九月一日の大震に際して 関東大震災 日本 20210901

 芥川龍之介が、関東大震災についての記録を残しています。
 藤、山吹、菖蒲の咲き方から『「自然」に発狂の気味のあるのは疑ひ難い事実である』として『天変地異が起りさうだ』と予言をしています。

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芥川龍之介 大正十二年九月一日の大震に際して
藤、山吹、菖蒲と数へてくると、どうもこれは唯事ではない。「自然」に発狂の気味のあるのは疑ひ難い事実である。僕は爾来人の顔さへ見れば、「天変地異が起りさうだ」と云つた。しかし誰も真に受けない。久米正雄の如きはにやにやしながら、「菊池寛が弱気になつてね」などと大いに僕を嘲弄したものである。
 僕等の東京に帰つたのは八月二十五日である。大地震はそれから八日目に起つた。
「あの時は義理にも反対したかつたけれど、実際君の予言は中つたね。」
 久米も今は僕の予言に大いに敬意を表してゐる。さう云ふことならば白状しても好い。――実は僕も僕の予言を余り信用しなかつたのだよ。

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