ヴァンパイア

30歳男性独身ひとりぐらし
悲しい肩書きなのか、胸を張れる肩書きなのか。
どちらかはわからないが生きてるだけで
このレッテルが勝手に貼られていく。

ある程度、会社ではいい立場になり
お給料もそこそこ貰い始めて
暮らしていくに困らない程度に人生を楽しめる。

お金の使い道だってとやかく誰にも言われることはない。
おかげさまで貯金がない。

きっと人生においてお金を自由に使える期間って
この期間なんだろうなと何もプラスにならないことを考える。
が、人生そこそこ楽しくなってくる時期だ。

そんな限られた自由な人生の中で
ひとつだけ楽しみがある。

週末の休みに風呂屋に行くことだ。
俺にはこだわりがある。
必ず一番風呂をすることだ。

誰も入ってない風呂に一番最初に入る。
いかんせん、俺には潔癖症なところがある。

週末の楽しみを謳歌するには
このポイントを抑えなくちゃならない。

昔は日の出営業だとか言っていたが、
どうやら今は6時からが決まり事だとか。

早めに行くことも大事なのだが、
必ず事前に予約することも大きなポイントだ。

なにせ一人でお風呂に入っても
全く楽しくないからね。 

君以外では絶対いけない、
ほら絶賛させてよ。

お風呂入ってる間はこの時間がずっと続けばいいな、なんて目の前に広がる絶景にロマンチックに思いを馳せることもなんかもある。
恥ずかしくもあるけどね。

もう無理もう無理なんて言わせてほしい。

『星が見えるような泡の中で』

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